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○JBL社において、最後の1人となったparagon制作職人「Mr. fred kato」
こと、フレッド・加藤氏に敬意と感謝を表し、制作中の御姿をトップページに飾らせていただく。
シロフクロウさんの愛機も加藤氏制作である。

○少なくとも1978年には、Mr. fred kato氏が、ただ一人残った職人であったことが、
菅野氏によって報告されている。
パラゴンは、加藤氏がリタイヤする1983年まで製造されていた。また、この写真を見ても解るように、
工場生産ラインに乗らないパラゴンは、日本の宮大工のような木工職人の手作り制作であった。

まさに大型楽器工房による特注楽器ともいうべきスピーカーがJBLパラゴンであり、
JBL工房において一台ずつ手作りされたのである。
この希有なスピーカーの製作技術は誰でも出来るわけではなく、
製造と組み立てが出来る職人が居なくなれば消滅する運命にあった。

○JBLパラゴンは、その誕生秘話から推測されるように、
史上最強のホームシアター用センタースピーカーとして使える事に、どれだけの人が気付いているのだろうか?
パラゴンの伝説を紐解けば、有意義な使い方を再発見できる。

○パラゴンは1957年に開発され、JBL社において最初の3ウェイ機でした。
当時はほとんどが2ウェイの時代でしたから、画期的な製品だった。
第1号のparagonモデルが完成したのは1957年8月のことでした。

しかし、実際に発売されたのは1958年の春からです。
1983年まで製造されて、カタログには1988年まで残っていました。
昔の雑誌による1988年まで30年間ほどに渡って製造というのは間違いです。
カタログに残っていただけのこと。製造期間は1957年〜1983年で正味25年間ほどです。

※余談ですが、高音用075ツィーターは、パラゴンが発売される前年の1957年に発表されています。
この経緯から、075無しの2ウェイパラゴンが売られたという噂は、単なる憶測と思われます。
設計開発時点では2ウェイであったことは確かです。

○内部構造が解るように色分けした図です。

パラゴンは一目見ただけで、低音がどうやって出てくるのかを理解しがたい。
なにせ、パラゴンはあまりにも特異な構造なので、
図面を初めて見る人にとって、低音ホーンはどこからどこまでなのか理解できないと思います。
図の青色部分が、S字型の低音ホーンとなっていて、この低音ホーン構造自体が、筐体本体そのものであり、
極めてユニークな作りになっている。

○パラゴンの内部には、グラスウールの類は一切使われておらず、ウーファのバックキャビティにも入っていません。
私はこれを、恐竜型と呼んでいるが、
一般的なグラウール入りのスピーカーシステムは、毛の生えた哺乳類であるという認識で、
対比させているからです。

オールホーン形式では、アバンギャルド社のトリオ・システムもあるが、ユニット毎にバラバラになっています。
3ウェイオールホーン形式は希有な存在であり、左右が一体型となったステレオ用オールホーンスピーカーというのは、
古今東西パラゴンだけです。
なお、タンノイやクリプシュのスピーカーに採用されている低音ホーンは
フォールデッド(折り曲げ)ホーンという種類で、手作りSPで有名な長岡式ホーンもフォールデッドホーン形式です。



いまだに謎のままである二箇所の刻印のことについて

【JBLパラゴンには二箇所に番号刻印がされている。その意味するものは何か?】
↑2007年5月1日に、JBLparagonの製造番号の刻印と、本体接合部の刻印についての記事を追加します。
実はこの件に関しては、もっと確かな情報を確定した後で記載するつもりでしたが、
データが集まりませんので、見切り発車となりました。
私が何年間もかかって調べた詳しいことを書くと、とても面倒なことになるので、まずは大まかな発表だけです。
私のパラゴンの写真で説明することにします。

パラゴンの製造番号と思われる刻印を確認するには、
写真のように前足木部を手で引き抜いて太い部分を見ると、簡単に見られます。
下左が左右の木部を抜き取った状態で、製造番号は左右同じものです。片側だけに丸印が付いており、
右側の部品であることを示します。私の前足刻印は中写真のごとく79でした。【1079台目と予測している】

↑上の右下写真が、パラゴン本体左右接合部のチップボード天板左右に2箇所に刻印され↑私のは1979でした。
重いパラゴンを動かすことなく、鏡に照明を当てて天板背後番号を撮影し、画像反転させれせば読みとれます。
この本体天板裏の刻印から1979年製造と予測したが、例によってパラゴン製造職人は、いい加減な人が多かったらしく、
天板裏には意味不明な番号が刻印されている例も報告されておりますので、製造年であるという確信は得られていません。
統一性の有る刻印番号管理がされていれば、容易に意味するところが判明するが、2058など、合理性のない番号が存在する。


↑次の写真は、私の所有するparagon以外のもので、何人かの人々のパラゴン前足刻印の例です。
2ケタもしくは3ケタです。
私はこの番号を、1000台ほど製造されたJBLパラゴンの【通し番号】ではないかと思っています。
全製造数は1100台未満と予測。
この前足刻印もまた、裏板エナジャイザー用メクラ蓋の有無や、ウーファユニット種類との整合性が取れないものが存在し、
通し番号と断定するには至っていません。不合理なのは一部だけで、ある程度の裏付けが有るので通し番号の可能性は高い。

また、刻印の金型種類が様々で、大きさや数字デザインが違うことにも気付くのですが、
これは、一人一人のパラゴン製造職人が(組み立て職人は一人で一台ずつ)自分専用としてオリジナル金型を使っていたのか、
あるいはまた、製造された時代によって金型が違うのか、そこは不明です。データ数が不足しているが故に、断定しかねる。
パラゴンの製造番号に関しては、謎ばかり増えていく感じがしていますが、
今年で還暦となった私には、謎を解き明かす方法は解っても、各地のパラゴンを訪ねて刻印やその他を確認する体力は無い。

そういうことで、見切り発車で、ここに【JBLパラゴンの刻印の謎】が残っていることのみ掲載しておく次第です。
他にも、調べた結果、解ったことは有るのですが、ややこしくなる一方なので、ここには掲載しません。
なお、シリアルナンバーというのは別にありますけれども、
エンクロージュア形式や搭載ユニットとの関連性を示すものではなく、
JBLパラゴンの製造年月を特定する役目も果たしません。シリアルは単なる固有番号であり、謎解きには役立ちません。


刻印の謎解きと製造年月などの整合性を取るには、各個体ごとに次の四つの情報を確認する必要があります。
1=前足の製造番号、2=本体天板接合部裏にある刻印番号、3=裏蓋のエナジャイザー用メクラ蓋の有無、
4=ウーファユニット&中音ドライバーの種類(初代オーナー以外のパラゴンは交換された可能性が有って信頼性は低い)
何の分析においても、一つだけの情報では用を成さず、複合分析が必要。だから前足刻印だけでは、分析には値しないのです。
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