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2007年附記
★【パラゴン情報】は、【檄文】とも言うべきものであり、勢いに任せて書いたもので、理路整然とは言い難い。
見直せば舌禍も有るが、2002年4月9日にネット上に【タイムカプセルとして埋め込む】純粋な目的があった。
よって、僅かの加筆をするのみで、サイト開設の原動力となった思いのたけを、当時のまま残して掲載します。

シロフクロウさんはJBLパラゴンの初代オーナーで、
所有する後期型パラゴンは山水社の正規輸入品を新品で購入したものです。
私のような初代オーナーは年々少なくなってきました。 初代オーナーでなくては知らないことがあるものです。
近年は初代オーナー亡き後、 二代目、三代目のオーナーの手に渡って活躍しているパラゴンが多くなっています。
製造初期の音を知らないということは、使いこなしのうえからは不幸なことで、
シロフクロウさんのアドバイスが参考になることもあるでしょう。
そして、インターネットを覗くと、所有しないまでも、 JBLパラゴンについて興味を持っている方は多い。
昔の雑誌による、 古くて間違ったバラゴンの情報を信じている人も沢山見受けられます。
改造(改悪も含む)されたパラゴンを、オリジナルと変わらないと思いこんでいる人もいます。
そういうことからも、私のパラゴン情報がネット上で、 訪問者のお役に立てれば幸いです。

※検索エンジンから来た方は、
ページ左上のバナーから、元ホームページのhttp://fukuroo3.com/に行けます。
元ページには、写真入りの「パラゴン解説」や、読み切りの「パラゴンを語るページ」「簡易ホームシアターの勧め」
「ヴィンテージJBL」が有ります。
オーディオ&音楽掲示板、自由掲示板等も用意してあります。
また、フクロウの巣穴ウェブサイトでは、写真旅行記などの写真を眺めて楽しむページがあります。

JBLパラゴン情報(2004年3月15日改訂版全28話。初版2002年4月9日)

JBLパラゴンについて☆その歴史と伝説=No1

◎解りやすくする為に各ユニット変遷によって、時代毎に大分類しておく事にする。分類基準の基本はウーファユニットによる。
それぞれウーファ(低音域)、スコーカー(中音域)、ツイーター(高音域)の三種類組み合わせによって分類する。

☆初期型=150−4C、375、075 = 1957年8月に一号機完成・1958年春から発売され、1964年まで製造。
☆中期型=LE15A、375、075  =1964年から1979年まで製造された。
☆後期型=LE15H、376、075 = 1979年から1983年まで製造された。

※中期型は最も数が多く、古い16Ω仕様のものと、その後の8Ω仕様のものがある。
製造番号が930番あたり以降は8Ωで、750番あたりより古い製造番号は16Ωだったことは解っている。
この中間に170台ほどのパラゴンが存在し、その中のどれか2台が、16Ω時代と8Ω時代の分かれ目になっている。

※注=2005年8月にインターネット上にウーファユニットにLE15Bを使った一台を見た。
これは1961年あたりの僅かな時期に生産されている。私の分類では初期型としておきます。
ただ、これは裏蓋が改造されており、LE15Bが後付である可能性が有る。


製作年代別の分類方法は、ウーファ以外にも考えられるが、年代特定が難しく、煩雑すぎるので単純にウーファユニットによる大分類のみとした。
なぜならば、ウーファユニットのみが、生物学で言うところの「標準化石」になりうる年代測定要因だからです。
注=エンクロージュアのみの型番はC44で、これにユニットシステムが組み合わされて箱形式がD44000という形式名となった。
◎最初に元社長のアーノルド・ウォルフ氏の話から紹介する。
「スピーカーの歴史上でも、D44000パラゴンほど神秘的伝説に包まれ、切望され続けたスピーカは無かった。
ユニークなデザイン方針に基づいた画期的な製品であり、JBLが製造した他のいかなるスピーカーシステムより長い期間製造され続けた。
パラゴンは1957年から1983年まで、25年間の長きに渡ってJBLの生産ラインに残り続け、約1000台が生産された」
以上が アーノルド・ウォルフ氏による証言と解説です。

私見=日本の記事では1988年まで31年間製造とされているが、販売カタログに残っていたのが1988年までと言うことであり、
アーノルド元社長の証言通りに、実際の生産そのものは1983年で終わっている。製造期間は約25年である。
その後の1988年までの5年間は、在庫一掃までの期間です。
最後期型は350万円の値段をつけて販売しても赤字だったので、JBL社としては早く生産をうち切りたかったようだ。
しかし、アーノルド・ウォルフ社長が若い頃JBLに入社する時のプロジェクトがパラゴンであったし、
長く、同社の最高級フラッグシップモデルでもあったから、赤字でも作らざるを得なかった事情もあろう。

価格の推移も書き留めておく。後期型パラゴンの定価は350万円だが、最後期前のパラゴンは長い間220万円で推移していた。
最も古い初期型は168万円、1970年頃には1736000円、1974年1552700円等と、ドルと円との相場による変動があった。
30年〜50年ほども前の価格であるから、現代の貨幣価値と置き換えて考えるべきで、当時は途方もない高額品であったのだ。
解りやすく言うと、当時の一般人給料税込み3万円で116ヶ月ぶん。現代人給料は丁度10倍の30万円だから、現在価値置き換え3500万。
勿論パラゴンの他に、相応しいアンプやプレーヤーも必要だし、なにより一軒家が必要だ。頑張っても一般人には買えなかった。

価格推移例の一覧・後期のWXA表示品は搭載SPユニットが違う
JBL Paragon D44000=  \1,552,700【1973年頃】 \1,600,000【1980年頃】
JBL Paragon D44000WXA=  \2,200,000【1982年頃頃】 \2,800,000【1983年頃】 \3,500,000【1985年頃】

◎パラゴンの基本設計者であるリチャード・レィンジャーの事も明記しなくてはならない。
マーク・ガンダー氏とジョン・イーグル氏の語るところによれば、
リチャード・レィンジャーがJBL社に来た経緯は良く解っていないというが、近年、その経緯は明らかになってきた、
彼はLBL社に来る前は、映画の録音再生技術開発をしていた【レインジャートーン・コーポレーション】のオーナーだった。
ブロードウェーの劇場で使われた最初のアンプ音響装置を、リチャード・レィンジャー が設置した事が知られている。
リチャード・レィンジャーは、パラゴンの基本設計を持って、リチャード氏がJBL社を訪れて、ビル・トーマス社長に逢い、
反射パネルを用いたシアター用システム設計を、家庭用のスピーカーに応用することを提案した。
パラゴン誕生の始まりであった。

リチャード・レインジャーの設計だけで、パラゴンが完成したのではない。
日本では、いとも簡単に、リチャード・レインジャーの設計によってパラゴンが出来たと書かれていることがあるが、
机上の設計だけで製品が出来上がる訳もなく、特に最も難しい低音ホーン形状に関しては、未完成の部分が多かった筈だ。
リチャード・レィンジャーの専門的技術によって、単独システムによる拡散方式がJBL社にもたらされた事が、
パラゴン誕生のきっかけとなったことは間違いないのだが、忘れてはならないことは、paragon誕生を実現させるには、
天才的デザイナーのアーノルド・ウォルフ氏の登場を待たなければならなかったということだ。

◎ あまり知られていない事だが、その開発当初は、075ツィーター抜きの2ウェイスピーカーとして設計されていた。
アーノルド・ウォルフ氏によって、1957年の8月に四週間かけてパラゴンのデザインが決定され、完成したモデルは3ウェイであった。
完成する前年に、075ツィーターが開発発表されていたので、パラゴンはJBL最初の3ウェイスピーカー・システムとなったのだ。
また、パラゴンはハーツフィールドタイプのコーナースピーカーの間に置かれるセンターチャンネルスピーカーとして考案されたものだった。
つまり、現代のAVホームシアター用センターSPに相当する訳だが、
この考えの技術的なコンセプトは1930年代ベル研究所によって行われた研究調査に基づいており、
最も安定したステレオイメージはセンターチャンネルスピーカーの設置によってもたらされるという考えに基づいている。

私が思うには、現代の5.1映画サラウンドでも、ホームシアター映画のセリフを明瞭にする為にセンタースピーカーは必須とされているけれど、
元をただせばベル研究所が発信元なのか!なんという先見性!
この考えは1930年に既に存在していることに驚かされるが、この事からもスピーカーというのは進歩が極めて少ないオーディオパーツだと思う。
AV用センタースピーカーとして家庭でパラゴンを使うのは費用からもスペースも大それたものだったから、
結局は独立型スピーカーシステムとして世に出る事になった。
フクロウさんはホームシアター用としてパラゴンを使っているが、自ずとセンタースピーカーとなっている。

◎パラゴンの製造プロジェクトは、どのような経過をたどったかを、私の調べに基づいて、補足をまとめておきます。
リチャード・レィンジャーの基本設計を元にして、デザイナーだったアーノルド・ウォルフによって開発が行われた。
初代社長であり天才技術者だったジェームズ・バロー・ランシング氏(本名はジェームズ・マーティニ)の死後に
会社を受け継いだウィリアム・H・トーマスは、当初はコンサルタントとしてアーノルド・ウォルフを1957年に雇って、
パラゴン製造開発プロジェクトチームを発足させた。
なお、このチームには銘器ハーツフィールドを世に出したウィリアム・ハーツフィールドも加わっていた。
そしてアーノルド氏はパラゴンを世に送り出した衝撃的なインダストリアル・デザイナーとして有名になった。
この経緯から、パラゴンを生み出したのはアーノルド・ウォルフ氏ということができよう。
なぜならば、基本的アイディアはリチャード・レインジャー氏によるものだが、工業製品としての具現化には、机上の理論だけでは不足で、
具体的な設計とユニットビルトイン、総合的なデザイン等に負うところが大きいからだ。
A・ウォルフはその後1969年にJBL社長に就任した。1979年に来日した後でJBL社を退職するまで約9年間、社長を務めた。
彼の退職後三年でパラゴンは終焉を迎える。

○パラゴンは組み立てが非常に複雑なシステムで、困難な手作業によって作られた。
1960年代では一台のシステムを完了するために一人で112時間が必要と見積もっていた。多くがキャビネット仕上げに費やされていた。
粗組み立てが終わると、約8時間をかけてエンクロージャー全体に磨きかけた。
そして次に別の人の手でオイルのシングル・コーティングをして、ひと晩乾燥させた。
その翌日、オイルフィニッシュを2度行い、さらにその後6時間かけて最終の仕上げをした。
まだ終わりではなく、最終仕上げの後ワトコオイルによるコーティングは更にもう一度かけられて、手で磨かれた。
(※明記しておきますが、このドン・マクリッチー氏が詳細な取材をした記事には、米松(ベイマツ)がパラゴンに使われたという文章は無い)
パラゴンの仕上げには知られているワトコオイル仕上げの他に、
1960年代前半までは、ウォルナット、トーニィ・ウォルナット、マホガニー、及びエボニィの四種類の仕上げが選べた。
そして、値段は高くなるが特別オーダーとしてピアノラッカー仕上げも注文できた。

○パラゴンの業務用機種が存在した。
マークガンダー氏とジョンイーグル氏の語るところによると、
パラゴンのオリジナル構造では2つの150−4Cバスドライバーが別々に正面のホーンに装填されていました。
2つの375コンプレッション・ドライバーはH5038P - 100楕円形ホーンに装着され、それぞれがカーブしたパネルの一面に向いていました。
又、2つの075リング・ラジエーターはキャビネットの後部にマウントされていてセンターのリスニングポジションに向いていました。
ドライバーは500hz と 7000hz にクロスオーバーしていました。パラゴンの家庭用機種が導入された頃と同じ時期に、
スタジオモニタリングとステレオ映画音再生のようにビルトインで使う目的の業務用機種がありました。
しかしながら、このような需要はそれほど大きいものではなく、業務用変形機種は間もなくラインアップから消えた。

☆ パラゴンの変遷についての詳細
ドライバーは何年もの間様々な変更がなされ、細かい部分の経緯は現在は不明な点が多い。
当初のウーファユニット150−4Cは、ハーツフィールドにも使われていたものだが、
1959年にLE15Aが新たに開発され、1964年にはウーファーがLE15Aに変更された。
また当初、1963年に開発されたスピーカー内蔵用パワー鞍部の、SE401後のSE408S型)がキャビネットにビルトイン出来るようになった。
注文時点で、最初からパラゴンにパワーアンプ付加システムを買えるオプションが導入されていた。
しかし、このパワーアンプ付加オプションは70年代までには行われなくなった。

◎ウーファユニットLE15Aを使用したパラゴンを中期型と分類したが、この中期型は長い年月に渡って作られ続けた事もあり、
全製造機の95パーセントほどと推定される。2%ほどが初期型、残り3パーセントが最後期型に分類されると、私なりに推測している。
後期型パラゴンは1980年以降となるが、
それはスピーカーユニットが1979年に開発されたフェライト磁石採用ユニットによつて、かつてない大変化を遂げる事による。
1980年に、JBL社の全てのバスドライバーのマグネットがアルニコ磁石からフェライト磁石に変えられたのだ。
その変化に伴い、1979年にはパラゴンのウーファが、LE15Aからフェライト磁石のLE15Hに変えられ、
翌年の1980年には、中音ドライバーユニットの375も最新型の376に入れ替えられた。
こうしてパラゴンの再生音は大きく変わった。
私の所有する最後期型には遺物のごとく残っていたビルトインパワーアンプ用のメクラ蓋は姿を消している。
このメクラ蓋が無くウーファユニットにLE15Hが入っているパラゴンは、完全なる最後期型の証明になると私は思っています。
古いパラゴンのメクラ蓋は、8Ω仕様になった比較的新しいパラゴンでは作られなくなり、フラットな裏蓋になっていますが、
このメクラ蓋の用途は、JBLではエナジャイザーと称している、ビルトイン用パワーアンプの為のものです。
このパワーアンプは、オブションで注文が有れば取り付けられ、スピーカーシステム毎に特有のカードが差しまれる形式のものです。
つまり、パラゴンにはパラゴン専用カードが刺し込まれたビルトインパワーアンプが用意されました。
エナジャイザーは、当初はSE401E型で、その後はSE402E型。後にSE408E型がある。

○追記で、面白いエピソードを紹介しておきます。
この頃の日本では。アルニコ神話が囁かれていた時期で、頑固なアルニコ信奉者が「昔は良かった」と、発言していた。
日本のステレオサウンド誌にパラゴンを所有しているオーディオ・ファイルグループの記事が掲載され、その発言の要点は、
「みんなアルニコが良いと言っているが、ことパラゴンに関する限りはアルニコよりもフェライトを使ったLE15Hの方が良い。
だからパラゴンをパラゴンに買い換えた」というものだった。
私のような貧乏人は一回パラゴンを買うのに苦労したが、この方々はLE15Hを採用したパラゴンの音の変化を、
ただごとではない大変革と聞き分けたが故に、アルニコのパラゴンをフェライトウーファ入りのパラゴンに買い換えたと推測する。

JBLパラゴンについて☆その歴史と伝説=No2

1978年のステレオサウンド記事に、菅野氏の話しが対談形式で次のように報告されている。氏の報告は信頼できます。
菅野氏がJBL社を訪れた時、日系二世の加藤さんが、たった一人でパラゴンのエンクロージュアをコツコツと作っていたと報告している。
また、加藤氏が居なくなればパラゴン製造はできないだろう、という事も話しておられた。
加藤氏の父親は一世で指物師であった。加藤氏はその技術を受け継いでいたが為にJBL社に雇われていたのである。
後期型のパラゴン製造時期は1980年以降であり、その前年の1978年にはフレッド・加藤氏がただ一人残ったパラゴン製造職人となっていた。
よって後期型であれば加藤氏が一人で作り上げた製品と断言できる。
フクロウさんも自分のパラゴンのどこかに加藤氏の銘が刻まれていないものか、と、捜してみたけれど何も無かった。
しかし、刻まれていなくても間違いなく私のパラゴンは加藤翁製作である。少なくとも1978年以降は加藤氏の単独製作だったのだから。
ここで忘れてならないのはユニットは工業製品でも、独特の低音ホーンを持つ特殊エンクロージュアは特注楽器製作そのものです。
パラゴンのような楽器型スピーカーという製品は「箱」であるエンクロージュアで音の善し悪しが決定することも、忘れてはならない。
最後期型ドライバユニット入りは1980年からとされるが、一ヶ月に1台か2台のペースになっていた。
最後期型は1979年から1983年の約三年間ほどしか作られなかったのだが、
世界に冠たるJBLのフラッグシップモデルのパラゴンが、日系二世のご老人が一人で作っていた事は驚くべき事だ。
私のホームページに「パラゴン解説」というページを2004年2月18日に掲載しており、
トップページにフレッド・加藤氏が、パラゴンを制作中の写真がありますので、ご覧になっていただきたい。

製作職人は既にご高齢だった加藤翁ただ一人なのだから、三ヶ月に二台のペースとするのは多すぎるかも知れない。
1982年頃には売れなくなっていた事も知っているので、平均製造ペースは最後期になると減少した筈です。
市場原理が働きますので、売れなくなったパラゴンは製造台数は減少する。製作職人が1人だけになったのは、注文が減ったからです。
これで計算すると年間8台がやっとだろう。三年半で28台だ。加藤ご老人が一人でこんなに作れたのかは疑問ではある。
だから最後期型は全世界に40台程度と思われる。全体の3%と私が推測する根拠はここにある。
1980年以降は日本向けだけに製造されたのでは無いと思われるので、現在日本に最後期型パラゴンは何台存在するのだろう?。
追記=2002年の8月に、予想として後期型はほとんどが日本に輸入されたように思った。欲しがる人が日本人に多かったからです。
また、ユニットを入れ替えて後期型として並行輸入された偽の後期型が多数存在すると思われるふしがある事は別記に記す。

追記=2006年8月に製造番号刻印039の後期型パラゴンが報告され、どうやら45台ほどの後期型が有ると推測されました。

JBLパラゴンについて☆その歴史と伝説=No3

◎ステレオサウンドNo60=1981年の秋号によれば、同誌の評論家達によるパラゴン視聴は後期型で行われたが、
試聴記によると、いつも酷く悪い音で鳴っているパラゴンばかりをあちこちで聞かされていた評論家達が多かったようだ。
鳴らし込むのに大変な努力を必要とする事は、前期・中期・後期型を問わず、同様に難しい。
岡氏「上手く聞こえたためしがなかったが、非常に認識不足だった」
菅野氏「今日、ここで聞いたパラゴンの音は、大変素晴らしかった」
瀬川氏「パラゴンを鳴らすのは並大抵のことではない。本当はもっともっと凄い音がするのだが、
今日は54畳の空間の有る部屋のせいか、まぁまぁの音が出た」
瀬川氏だけは、何人かの個人宅で、良い音で鳴っているパラゴンに出会っている。
ここでは明確に書かれていないが、評論家諸氏が以前に聞き馴染んでいた初期&中期型のパラゴンと違い、
この試聴記で使用したパラゴンが後期型だった為に、意外なほど良かったと思われるふしがあるのだ。
私が自宅で始めて鳴らした時に、予想外に良かった事を覚えている。
購入前には私自身も、どこで聞いても良く鳴っていないパラゴンばかりであった。
購入先の店員もパラゴンを鳴らすのは至難の業だと、念をおされた上で買ったのだ。
だから、初音出しでは、さぞヒドイ音だろうと思ったのに、意外にまともな音が出たので、
まぁこれならこの先なんとかイケる!と大変嬉しかったのを覚えている。
その後で物凄い困難に出くわすのだが、それは別に使用記を書こうと思う。さて、話を戻すと、ウーファにLE15Hを使い、
スコーカードライバを376に替えた最後期型は1983年に製造中止になるまで生産されたが、
その生産数は40台程度と、ごく僅かだったろうと予想される事は既に述べた。
パラゴンの再生音は、いよいよ高みに上り詰めていったのだが、生産はそれと逆行して減少の一途をたどる。
あまりに複雑な製造工程と完全手作り製品ゆえに、世界の工業需要から離れて行ったのだ。採算性が悪い事も生産打ち切りの原因だろう。

JBLパラゴンについて☆その歴史と伝説=No4

◎ パラゴンをビンテージ・スピーカーとして購入希望者が未だに居ますので、パラゴンを手に入れたい人の為に、私からのアドバイス。
日本では喫茶店等を開店するにあたり、中古のパラゴンを買い求める人もいる。姿があまりに美しいからだ。
時々、ステレオサウンド誌で地方のオーディオ店から出物が有ります。
輸送料はかかりますが、確実なのはアメリカ中古市場から買い求める事です。
2001年当時には、LE-15Aを使用した中期型が、アメリカのコレクター市場で二万ドル(270万)以上の値で売られていました。
日本でも中古を250万円前後で売られていると思うが、ほとんどは製造台数の多い中期型です。
初期型はユニットが劣化し過ぎたものも有るので勧められない。半世紀前の製品となると、箱の保存状態の良いものは少なくなるのが道理。
音が出なくても、飾り棚代わりに欲しいという人も居るので、そういう方なら初期型でも良い。気持は解る。
もし最後期型中古を安値で売っている店が有ったら、その店は価値を知らない訳でビッグチャンスです。
良く乾燥したエンクロージュアの後期型パラゴンを中古で入手するのは至難と思うが、
もし存在すれば、この世のパラゴン中で僅か3%の当選くじとも言えるので稀少価値が有ると思っています。
湿気で音質が劣化しているパラゴンは安くても買ってはいけない。
長年オーディオファイルとして過ごして来た夢追い人の行き着く先が、このスピーカーなのかも知れない。
四十代まで最新型スピーカーを変遷したオーディオファイルが懐古型スピーカーに辿り着く、という話は良く聞くことだ。

◎ パラゴンの製造に関しては他にも面白い事がある。まぁ、伝説になるくらいだからエピソードに事欠かない。
それは完全な設計図というものが存在しないことです。設計図はパラゴン製造工場の職人の頭の中にだけ存在しました。
また、興味深いことは、家庭でスピーカーを制作してみよう、という腕に覚えのある人向けに、
JBL社から各パーツの寸法などが書かれた設計図が、1960年代に販売されていた。
ユニットはJBL社から買い足して取り付ける、ということだが、家具製作者なら出来たかもしれない。
その設計図はJBL本社においても、今では消失してしまっているという。これまた正に伝説と化した所以だ。

☆追加記事=2003年に、アメリカの市場でこの設計図が売りに出されました。
それは片側だけの設計ですまされており、細部については、制作者の技術にゆだねられる性質のもののようです。
やはり、伝説どおり、パラゴンの設計図は熟練した職人の頭の中にだけ存在し、設計図があれば誰でも製造できるというものではない。
ですから、パラゴン職人は日本の神社仏閣を造る宮大工のようなものだと思えば良い訳です。
☆追加記事=2006年では、CD-ROMにより、paragonや他のエンクロージュアの設計図が、ネット販売されているのを見ました。
日本のメーカーがパラゴンのレプリカを作っているが、聞いた人の話では異口同音に、まったくオリジナルとは違う音がしているとの話でした。

○パラゴンは、一台ずつ、微妙な違いがあります。
勿論、アーノルド・ウォルフの設計は存在しますが、実際の製作現場においては、
一台のパラゴンから別のパラゴンにそのキャビネットパーツを代用するのは不可能だったのです。
同じ製造職人であっても、一台一台が、それぞれに微妙に形状が異なっているのです。
この事からも解るようにパラゴンとは、木工職人が世界に一台のみのカスタムメイドとして作ったスピーカーなのです。
勿論木目模様は一台一台違うし、塗装の色合いも一台一台が独自の色合いを持っているのは、このためです。
ちなみにフクロウさん所有のパラゴンは、やや赤みを帯びています。
足材の紫檀が塗装時点で赤みを帯びる木材だったので、その色に全体を合わせたのではないかと思われる。
現代でも手作業によるスピーカー製作は行われているが、ここまでクラフツマンシップに満ちた製品はスピーカー史上に無い。

JBLパラゴンについて☆風評に惑わされず本質を見極めよう=No5

○さて、パラゴンという名前の由来から、話しましょう。
パラゴンというのは直訳すれぱ「規範」ですが「極上の品、逸品、完全なるダイヤモンド」という意味合いから名付けられたニックネームです。
パラゴンの名前の由来について、ホームページを読んでみると、怪獣みたいとか、わけの分からない推測がいろいろとされていますが、
今は名前の由来さえも知る人が居なくなったのだ。これもまた伝説のスピーカーシステムらしいとは思う。
○また、良く知りもしない「知ったかぶり」の人達は、パラゴンは既に過去の遺物だとか、良い音がするわけが無いとか、
構造上からステレオセパレーションが取れないとか、定位がどうのこうのとか、
本当にまぁよくもこれだけ、と、思われるくらいに様々な事を述べている。実際のパラゴンは近代の広帯域ソースを楽々と再生するし、
最新のスピーカー群を凌駕すると断言できる。さらにスーパーツィーター045Beを加えて4ウェイとすれば、超近代型システムとなる。
だから所有しても居ない人々が、パラゴンは過去の遺物みたいな物言いをするのは、完全に間違っている。困った無知蒙昧の輩である。
これらは実際に所有して、キチンと使いこなした人の意見ではないし、稚拙な技術論を振りかざしただけの、実践無き空論です。
完全調整されたパラゴンの音を聞いた事が無い、頭でっかちの軽薄な輩の言う事などは、無視して構いません。

店やペンションの飾り物として使われたり、人寄せの為に店に置かれているパラゴンが実力を出しているとは到底思えない。
馬鹿とハサミは使いようと言うが、パラゴンは使い難いオーディオSPのなかでも、難しさは最右翼と言われるほど使いにくいスピーカーなのだ。
つまり、パラゴンは購入しても使いこなせない場合が多いという事例が多いスピーカーですから、
オーディオファイルの方々であっても、良い音で鳴っているパラゴンを実際に聞いた経験を持っている人は、とても少ないと思われます。
絶対数からして少ないので、朗々と鳴るパラゴンに出会う幸運など、滅多に有ることでは無い事を知っておく必要が有る。
ジャズ喫茶とか、お店に置いてあるパラゴンが、如何にヒドイ音で鳴っているかは、今は亡き評論家の岩崎氏も慨嘆していたし、
ステレオ・サウンドの評論家諸氏も、公共の場において、良い音で鳴っているパラゴンは極めて希だと言っておられる。
ましてや、一般の人々の場合は、良く使いこなされて素晴らしい音が出ているパラゴンに出会うことは至難であろう。
私も経験があるが、店の飾りとして置かれたJBLパラゴンならば、外見を眺めて、貧相な音を聞くことくらいは出来る。

○ハイエンドクラスのオーディオは車などとは違う機械であり、使う人の文化程度が問われる機械なのは、言うまでもないことだ。
世界の銘器と言われるものほど、使い方によっては普及品機器に劣る音を出す恐れが有るのを忘れてはならない。
例えて言うと、これから絵を初めて描く人が顔料や絵筆を買い求めれば、それだけで優れた絵が描けるわけでもないだろう。
余談だが、フクロウさんが見た完全なプロ用の竹筆は毛先の無い代物で、思い切り使いにくそうだった。
プロカメラマンが使う最高級カメラを買ったからと言って良い写真が写せるとも思わない筈だ。
なのに、なぜかオーディオだけは一千万も出したから良い音だろう、などと阿呆な事が平然と言われるのだろうか?不思議でならない。
一千万出したのか、それじゃあ〜さぞかし苦労するだろうねぇ、この先の音創りが大変だね、というのが本当の話しなのである。
つまりハイエンドオーディオという世界は、使い手の技量、知識、文化芸術性が問われる趣味なのである。
物を買って少々いじれば完了するような安易な世界では無い。
お金持ちの道楽として買われたパラゴンが、使いこなされずに放置されているのを、多々見聞する。
そういう不幸なパラゴンがなくなることを祈って止まない。

JBLパラゴンについて☆要は使いこなし次第=No6

○300万円程度の初心者クラスでは、費用と音が比例して良くなるという幸福な世界だが、
その初心者オーディオを囓ったくらいでは、奥深いハイエンドオーディオの世界を知るはずも無かろう。
40年前ならいざしらず、現在ではは貨幣価値が変わっている。何事も、時代を無視して並列視は出来ない。
大人が生涯続ける趣味が、たかだか乗用車一台分だなんて、とても言えたものでは無い。貧相過ぎる。
○昔の銘器と言われるスピーカーは中身のユニットよりも、箱に桁違いの製造コストをかけていました。
タンノイのオートグラフも、中のスピーカーよりも箱が十倍もした。
未だにビンティージものSPを欲しがる方々は、この箱鳴りの響きの美しさに惚れたからです。
いわゆる、これらが楽器型のスピーカーと言われる所以です。
パラゴンをクラシック専用みたいに思ったり、昔のジャズ喫茶で使われていた記憶から、ジャズ向きだと勘違いしている人も居ますが、
このクラスになれば、あらゆる音楽をパラゴン流に料理して聞かせてくれます。
使う人の、人となりに応じた歌い方で鳴らし込めば、十二分に期待に応えてくれるでしょう。
フクロウさんは主にカントリー&ウェスタンの女性ボーカルを聞いており、以前に良く聞いていたクラシックよりも比率が高くなりました。
私の場合は、パラゴンで聞くボーカルは魅力的で、歌手が歌っているというより、パラゴンが歌っているという言い方も出来るほどです。
つまりパラゴンは、箱であるエンクロージュアの造りの良さからきているたっぷりとした低音域と、ふくよかな美音が魅力なので、
女性ボーカルが、特に魅惑的に聞こえるのだと思います。昨今のスピーカーは、こういう箱鳴りを排除して音作りを目指しているものが多いが、
それは逆に見れば、そういう良い音がする箱はお金がかかりすぎて作れなくなったから、という要因も有ると思う。

こういう経緯と観察から、パラゴンはオーディオ的な拘りが強いジャズ愛好者には向いていないと思うのだが、音響創りは人様々で良いでしょう。
暇話休題、ユニットそのもので音が決まるシステムは作りやすいのだ。大量生産して利益を上げるには工場ラインに乗る形式が都合が良いのだし。
つまり、単に製造メーカー側の面倒すぎるからという理由で、優れた箱作りスピーカーを断念したにすぎないと、私は推測します。
何故かと言うとパラゴンが造られなくなった要因は、このエンクロージュア製造コストにあったからです。
また、日本で人気のモニター系のスピーカーは楽器型と反対の音が特徴だが、私にはこれが家庭用として音楽を楽しむシステムと思えない。
ジャズしか聞かない人なら構わないだろうけれど。家庭においてモニター系のスピーカーが、これほど使われているのは日本人だけの特徴らしい。
○私はパラゴンよりさらに古い時代に家庭用として製造された蓄音機のクレデンザとか、
アンテイークな大型のオルゴールの音もまた、素晴らしいと思う。新しい古いで物の価値が決まる筈も無いし、
真の価値を見極める眼は、何時の時代も変わりはしない。
機械測定に優れた成績を示すスピーカーは、人間が音楽を楽しむ製品として落第するものも多い。

○上杉研究所の上杉氏くらいになれば別だが、素人の自己満足に近いアンプ制作者は多い筈だ。
そういうアンプ等を自作できる人の中には「高級オーディオ機器と言うのは安物部品を使って高額な値段を付けて売っているのはけしからん、
私ならこれを1/10以下の値段で、もっと良い音のするものを作れる」といったことを言う人は、昔から沢山居た。
「海外ブランドなんて、こんな性能の悪い部品を使ってイモハンダ付けをしてる」とか技術的な面だけで判断するのも大間違いだ。
こ れらは、なまじハンダゴテを握れる人が陥りやすい低次元の話しである。アンプもスピーカーも絵で言えば、絵の具や絵筆等の道具に過ぎない。
アンプが作れるという事は、絵筆が作れるという次元の話しである。
プロの絵描きの書いた絵が、絵の具代金や無地キャンバスの値で価値が決められる訳では無かろう。
アンプは作れても、たいした音は創れない人達は、大概こう言って逃れる。
「それは、この部屋が良くないからだ。部屋さえキチンとした所ならねぇ〜・・。
そういうオーディオルームを作るには一千万はかかるだろうし」などと言う。私はこの手の言い訳は聞き飽きた。
部屋は大事だが、恵まれない部屋の問題くらいは乗り越えなくてどうする!。そんな腕では、オーディオの熟達者とは言えまい。

JBLパラゴンについて☆続・要は使いこなし次第=No7

○「良い音で鳴らすには最終的には部屋です。でも、その費用は一千万はかかるでしょうねぇ〜」
と、うそぶく人達は300万程度の初心者くらいの装置を使用しているのか?。私の見るところ、それ以下の人達が多い。
そういう、お金の苦労をしていない人に限って、最後は部屋だなどと知ったような口振りをするのだ。
オーディオは悲しい事に機械が無くては始まらない趣味で、お金のことを持ち出すのは本意ではないが、
どんなに貧乏でも情熱が有れば、自然に費用はかかってしまうものなのだ。オーディオに対しての努力の有りようは様々だろう。
自作スピーカーをコツコツ作るとか、ハンダゴテで真空管アンプを作るとかだけが努力では無い。
私のように長年製鉄所で働いて、白く輝く溶鋼を前にして塩を水で喉に流し込んで得た収入の全てをオーディオに使うのも努力だ。
高熱重筋肉労働で汗も瞬時に蒸発する過酷な労働の代償として私のオーディオ装置が存在する。どちらが効率的か?
労働報酬をつぎ込む方が良い音に近づけると私は断言する。その為に世界の英知を注ぎ込んだオーディオメーカーが存在するのだ。
オーディオの天才技術者では無い一般人は、ハイエンド・オーディオへの近道は労働対価で装置を購う方が絶対に早いのである。
部屋が最後と言う方達には、部屋の費用とやらの半分の500万円でも使って、メーカー製のSPを買えば、
貴方の作ったガラクタアンプに頼るよりも、良い音を作る可能性が出てくる筈である。と、明言する。

○フクロウさんの場合は、部屋よりも装置である。
というより部屋なんぞにお金をかけるくらいなら、装置にお金を使わざるを得ないほどの貧乏人だからだ。
装置に1400万かけるのが精一杯で、部屋の改造で何をしたかと言えば、
300キロはあろうというパラゴンの重みで床が抜けないように自分で床下の補強工事をしたくらいだ。
私の部屋は何の音響補正もされてない部屋であるが、充分に良く鳴っている。ステレオサウンド誌の菅野氏のレポートによると、
立派なオーディオ専用部屋はかえって良くない音になりやすいという。菅野氏の自宅は、いろいろなものが置かれた居間で音を出しておられる。
また、最近のステレオ・サウンド142号では、オーディオテクニカ会長の松下氏のオーディオルームが紹介されているが、
趣味の陶器が雑然と置かれており、それが適当な音の拡散をして効果的だと菅野氏が言っている。
これらの事からも、最初に言った「最終的には部屋です」という方達の意見は信用できないのだ 。

私が述べたい事は、部屋の事を持ち出す前に、やるべき事は有るし、部屋よりも装置を使いこなす事が先なのだ。
実践と実績もなく、幼稚な技術論を頭の中だけで作り上げて、机上論でものを言う事は、絶対にしてはならない。
音作りというのは、沢山の不確定要素を含んでいるのだ。特にスピーカーの使い方には、細心の注意と努力による実践が必要です。
頭の中だけでオーディオをやりたい人は、スピーカーから音を出す事なく、アンプの段階で作業を中止するが良い。
SPを使って部屋の中に音を出した途端に、彼等の音響理論は音を立てて崩れ去ってしまうからだ。
SPを使わず、オッシロスコープの波形だけで満足しておれば良い。
自作派の方々の装置はホビーとしての楽しみが大事であって、究極の美音を創るアプローチでは無い。似て非なる趣味です。
まだ二十歳そこそこで、お金が無い人なら、当然そういう方向からのオーディオもあり得るが、
大人の趣味としてのハイエンド・オーディオなら、最良のアプローチを選ぶべきです。
世に大量に存在するオーディオ用部品は、それを選んで使う人の技量、知識、芸術文化の理解に応じた音と成る。
そして、その人となりの音が出ていれば、それは立派に「作品」となるのです。

JBLパラゴンについて☆パラゴンを使いこなす=No8

○パラゴンの使い方序文=ここでは具体的にアンプはどれが良い、などという類の初歩的な事は述べません。
パラゴンを使うほどの者なら、それらの事はとうにマスターしていなくてはなりません。
己の感性を投影させるべきアンプを選択出来ず、道具を使いこなせない人はオーディオの基本から学び直して下さい。
ここでは経験者を対象に大まかな方法論を示唆するのみです。きちんとしたオーディオの使い手であるならば、それで充分な筈です。
また、ここで取り上げたフクロウのパラゴンは、フクロウ個人の理想の為に造られた音像を現出させる為に調整されているSPであり、
具体的な事柄がそのまま他の人にも通用するとは思えません。よって私の真似をする必要は全く無い。
一人一人に対して一人一人の為のオリジナルパラゴンが存在すべきであって、唯一万能なパラゴンの使い方はこの世にあり得ません。
他人の調整したオーディオというものは、ハイエンド・オーディオにはあってはならないものです。

○優れたオーディオの使い手は、それぞれが、それぞれの登山道を登って頂上を目指します。
頂上に立てた時、初めて360°の展望を眼にして己の頂の高さを知るのです。
周囲に乱立するオーディオの使い手達の頂上の高さと見比べて、自分はより低いかもしれませんが、
それは貴方自身の文化芸術の熟達度に応じての高さですから、それでよしとすべきです。自分の全存在を賭けて辿り着いた頂上を誇るべきなのです。
他人の設定を使わせて貰った人の中には、貴方よりも高い位置に居て、貴方を見下ろす人も居るでしょう。
しかし、良くご覧なさい。
その人は音を創造して貰った人が登頂した山の五合目か八合目に留まっていて、360度の眺望を見られない位置に居るのです。
既存の頂上を作った人の遙か下に居るのです。
そういう他人の力を頼った者は、例え貴方より高みに有っても絶対に見えないオーディオの世界の暗部が有るのです。
ですから、たとえ標高は低くても、己の築き上げた頂上に立つ者にだけに360度の眺望が約束されている事を忘れてはなりません。

○[パラゴンは育ちのよいお姫様だと思いなさい。貴方の思うような女にはなりません。教育しようなどと思わない事です]
私の経験を語る事にしましょう。私の所にやってきたパラゴンは、当初は良い音で鳴りました。
買い求めたベテラン店員もパラゴンを鳴らすのは大変な事だよ、と、忠告してくれましたし、
ステレオサウンド誌を読んでも、これほど使いこなしの難しいSPは無いとオーディオ界の誰もが口を揃えて言っていました。
私自身も良い音で鳴っているパラゴンに一度も出会っていません。 全てがヒドイ音で鳴っていました。
輸入元の山水電気のショールームが新宿の宝ビルに有りましたが、ショールームで常時鳴っているのはオリンパスで、
お客さんもオリンパスの方を聞きたがりました。
私も二回ほどパラゴンで音を出して頂きましたし、他のお客さんのリクエストで鳴るのも試聴しました。
本当に聞くに堪えない音で、このショールームのパラゴンは楽音を奏でる装置には思えなかった。
同じJBL傾向の音ながら、オリンパスの方がマシな音でした。本家のショールームでもこの有様ですから、
他所でもパラゴンは「姿は良いけれど、音の悪いスピーカー」と酷評されているものばかりでした。

○にも関わらず、1982年の早春に私の所にやって来たパラゴンから初めて音が出た時、
それまで使っていたJBL=L200型とは比べようもない可能性を明らかに見せたのです。
勿論、当時の私は若輩ながらオーディオ歴15年を越えており、腕が劣悪だったわけでもなかったから、という事はある。
良い音だったとは言っても、今と比べると完成度は雲泥の差でしたが、最初から「これはただ者では無いわい」と思いました。
当時、パラゴンの前で何度も「これはただ者では無いわい」をブツブツと繰り返して考えあぐねていたのを思い出します。
私の入力系は当時のマイクロ製トップエンド機でLPデスク吸着も出来るもので、
アンプ系はずっと昔からオールマッキントッシュでしたからパラゴンとの相性は良かったのです。最初の幸せな出会いでした。

これでは私も張り切らざるを得ません。長年培ってきたオーディオ・テクニックの全てを注ぎ込んで、素晴らしい音にしてやろう、
と次から次へと対策を施しました。ところが、一進一退はするものの、大きく改善する様子も無く、
悪くなっただけじゃ無いかと思える事も有ったのです。
今までのオーディオで有効だったテクニックがパラゴンには通用しない事に途方にくれました。
対策で一番の大仕事はパラゴンのステージ作りでした。
大抵のパラゴンは置き台の上に置かれていますが、ツイータの位置が低い事を解決する為に誰もが考える事です。
皆さんが見たパラゴンは大抵ステージに乗っている事でしょう。
私は木工家具を自作していますので、完全乾燥した古い木造家屋に使われていた分厚い太い梁を使い、
長さ三メートル奥行き80センチの巨大なステージを作ったのです。
石のステージよりは木の響きが私は好みでしたから、木材を使ったのです。しかし、この大仕事も徒労に終わりました。

JBLパラゴンについて☆続・パラゴンを使いこなす=No9

○様々な対策を試みて三ヶ月経とうとしていた頃、ふと、パラゴンは生物で言うと別の生き物なのでは、と思い当たったのでした。
思いあまった時は森羅万象に思いをはせて原点に立ち返るのが私の思考方法です。
これは今までの箱形SPでは無いし、中にグラスウールも詰まってなさそうだし、
今までのSPが毛の生えたほ乳類ならばパラゴンは恐竜なのだろう。
と考えれば、今までの対策がことごとく功を奏さなかったのが理解できるのだ。考え方を180°変えるべきだと悟りました。

○新しいスタートが始まりました。振り返ってみると、数々の対策が全て悪い方向に行った訳ではなかった。
改善効果の有った対策の一群は、一定の方向性を指し示していた。それは例えば音を解放するようにと考えた対策などでした。
反対に音を締めようとか、コントロールしようとかの意思をもって施した対策は、ことごとくはねつけられたのです。
ここでようやく私はパラゴンの正体の一端を見たのでした。
「そうか、これは育ちの良いお嬢様タイプなんだ。それもとびっきりの貴族かも。いや、お城住まいのお姫様クラスか?」
ううむ、誇り高いお姫様か、そういうことならば、私の言うことなんぞ聞いてくれそうも無いではないか。
そうなのだ、彼女の歌いやすいように歌わせれば良いのだ。何の制約も無くして、パラゴン自身が歌いたいように歌わせるのだ!
せっかく掃き溜めのような我が家に、美しい鶴が舞い降りたのだから、JBLパラゴンを歓迎しなくてはならない。

○今まで施した対策のほとんどを取り外しました。ステージ等も全て取り外して畳の上に薄いラワンの板きれを置いただけにしました。
方向性としては、パラゴンを空中に浮かせたようにしてやる事でした。
300キロも有るものは空中には浮かばないが、とにかく自由で解放された音にする方向性を貫く事だ。
そして、心機一転してセッティングをやりなおした直後に、歌い始めたパラゴンの音の素晴らしさに呆然として声も無かったのです。
今までの三ヶ月ほどの苦労は何だったのだ。たった一日にして本来の姿を現した一瞬でした。
私はパラゴンに謝らなくてはならない。すまなかった・・間違った事ばかりを貴女に押しつけていたのだから。
なまじ腕に覚えが有るばかりに、陥る失敗も有ることを知りました。

解りやすく例えて言えば、パラゴンは青い眼をした金髪のグラマー美人なんですね。オッパイもFカップだろうし。
それなのに音を押さえたりコントロールしょうとして日本女性サイズのAカップ下着を着せようと思っても、どだい無理だったのだ。
胸がこれならお尻の方はもっと窮屈な思いをしたに違いない。歌うどころでは無かった筈だ。すみませんでした、パラゴン嬢・・。
そういう事ですから、楚々とした柳腰の日本女性がお好みの日本男子は決してパラゴンと暮らしてはいけません。
私の場合はこの初日が本来のパラゴンとの結婚となりました。
この日から青い眼をしたグラマー美人は、お城のお姫様暮らしからフクロウの巣穴に同居するようになりました。
育ちの良い姫君は、好きなように歌わせてくれさえすれば、ボロ屋でも全然気にしないみたいです。

ステレオ・サウンド誌の評論家は「素晴らしい部屋でパラゴンを鳴らせば」と、おっしゃっております。
そういう方向のパラゴン再生もあるのでしょうね。贅沢指向の極みでJBLパラゴンを鳴らすというのも良いでしょう。
この試聴は、日本の元貴族の豪邸という40畳はあろうという部屋でパラゴンを鳴らした時の報告でしたが、
評論家の中にはこの40畳の部屋でも不足だ、と言う方も居ました。
つまり、西洋の石造りのお城なら、もっとパラゴンが歌うのかもしれません。キリのない贅沢指向ですね。
そういうお城のような場所で暮らすパラゴンは、きっと厚手のシルクの豪華な衣装を着ているのでしょうね。
でもフクロウ仙人の巣穴で全裸状態で身を寄せ合っているお姫様も、結構幸せそうに暮らしていますよ。

○20年以上、パラゴンを使っていますが、もう私はナンタラカンタラと押しつけがましい事はしていません。
オーディオ通がフクロウ喫茶を訪ねて来て「ちょっと低音が出過ぎなんじゃないですか?」などと言っても全然気にしない。
多くの日本の男には、このグラマラスなオッパイとお尻の良さがワカランのだ。
そういう国産娘崇拝をする奴は、ほおっておけ。胸も尻もない日本型スピーカーと暮らしておれば良い、と思っている。

JBLパラゴンについて☆付録・パラゴンを使いこなす=No10

☆音響対策の最終仕上げについて
○美麗なパラゴンのアンヨにふさわしいようにと、銘木のカリンの木を靴として履かせました。
巨体に似合わない長さ14センチほどの小さな赤い靴です。
彼女は六本足なので後ろ足の四本には、これまた南洋材の赤いパドックの木を履かせました。
木工家具を作れるフクロウさんにはお手のものでした。
彼女はこの赤い靴のプレゼントが大のお気に入りで、歌って踊れるミュージカルスター気取りで歌ってくれました。
22年後の現在も赤い靴を履いて手放しません。
近年の大きな出来事は、2002年12月21日からJBL製045Beスーパーツィーターを追加しました。いわば、美しい裸身を飾る宝石ですね。
パラゴンは即刻その場で身につけて気に入ってくれました。きらびやかな宝石もパラゴンには良く似合ってるようです。

同時にプレゼントしたのはスーパーウーファのベロダイン製HGS-18です。
こちらは例えて言うとセクシーな下着なので、お姫様はためらいがちでした。
なかなか宝石のように直ぐには身につけてくれず、何日もパラゴンを説得しまして、なんとかお願いして身につけて頂きました。ふぅ〜、やれやれ。
でも、このセクシー下着は本人の方が私より気に入ってるみたいです。本音で言うと宝石よりもずっとお気に入りみたいよ。
元々からセクシーなのが自分の魅力なのは良く知っているので、自分がさらにセクシーに見える事にナルシズムを満足させているようです。
その証拠に、近頃のパラゴンの歌いぶりはセクシー度がグッと高まりました。う〜む、青い眼のブロンド美人は何を身につけても似合うらしい。

JBLパラゴンについて☆タワゴト一文=No11

不思議な楽器と思えるパラゴンのことについて。たまにはタワゴトのひとつも、書いてみたい(笑)
☆パラゴンは薔薇の香りを好むらしくて、昨日も今日もパラゴンは快調です。
フクロウさんの小さな庭で咲かせたバラの中でも、最も香り高い黒薔薇のオクラホマを一輪切り花にしているのだが、
一輪でも部屋の中にオクラホマ特有の芳醇な香りが漂う。
フクロウさんが心地良くなるからパラゴンが快調なのか、パラゴンが快調なのでこちらの体調も良いのだか、両方なんだか?
フクロウの巣穴に同居するようになったお姫様のパラゴンは贅沢好きではないけれど、
花は大好きらしくて年中花の咲いているフクロウの巣穴はお気に入りみたいです。
お金持ちの豪邸に行ったパラゴンとは違う居心地良さが有るのだろう。
いつも花がいっぱい咲いているフクロウさんの小さな家は、オママゴトっぽくてお姫様は気に入ってるのかもしれない。
それに、手前味噌ながら、なんたって私に愛されている事はこの上ないのであるし。

とにかく、伝説に彩られたスピーカーだけに不可思議な現象が有ると思っている。
近年、クレル社のダゴスティーノ氏が完成させたLAT1というスピーカーは、メタルキャビネットで寸分の隙無く出来上がった工業製品だが、
そのLAT1であれば私のパラゴンのような現象は起きないのではないかと推測する。超合金製の最新技術製品には、怪奇現象はおきそうもない。
第一、この手の新設計の高額スピーカーというのは、何処のメーカーでも当初は注目を浴びるが、長生きしない。
数年すれば、直ぐに上位機種に置き換わって色褪せるのだ。
パラゴンは手作りの木工製工芸品と言える楽器型スピーカーですから、そのような最新工業製品的なスピーカーとは対極に位置する。
JBLパラゴンくらいに完成されたスピーカーであれば、上位機種が発売されることもない。
人にパラゴンの説明をするときにも、ここらへんの事を言っても解らない人には意味不明の戯言と思われるだけだろうから滅多には言わない。
たまに芸術の事が解りそうな人や、頭の柔らかそうな人にはポロッと本音が出てしまい、不可思議な世界の話をしてしまう事もある。
もっとも他の誰にも理解してもらわなくても構わないのだ。私とパラゴンとの間だけで心が通じ合えれば、それで全てが完結しているのだから。

JBLパラゴンについて=私のスピーカー以外の使用機器に関して=No12

○私のスピーカー以外の使用機器を説明して置く必要もあるかもしれない。
しかし本当のところはスピーカーの前段にどんなアンプやCDプレーヤーを使っているかを説明しても、たいして意味は無いのだ。
所詮はスピーカーを鳴らす為の駆動機器に過ぎないのだし、メインとなるスピーカー選びで70パーセントは決定されてしまっている。
後は使う人がそのスピーカーをどのように鳴らしたいかでアンプの選定やプレーヤー選びをするだけのことだ 。
オーディオを女性に例えて言えば容貌とスタイル等の外見的要素はスピーカーで決定する。
その女性をどんな性格にしたいかはアンプが決定的な要素となる。
そして、どんな衣装やアクセサリーで装うかは、プレーヤーの役割と私は考えている。性格と装飾だけでは本体の女性は存在し得ない。
要約すればオーディオとは、音という素材を使った彫刻だ。動きが有る彫刻だからモービル音像彫刻とでも名付けようか。
ともあれ、一応以下に主な使用機器を説明しておきます。

ここで、私の近年抱いているオーディオ界に対する危惧を述べておきます。
近年になって、やたらと高価なアンプが増えているのは、低能率スピーカーばかりになったのが原因だと思う。
大出力アンプで能率が悪いスピーカーを駆動した音と、JBLパラゴンのような高能率スピーカーの音の出方は、明らかに別物だ。
近年、スピーカー以外の所に、様々な贅沢投資を要求するようになったのは、低能率スピーカーのせいではないかと思う。
私の考えでは、オーディオ黄金期のように、高能率なスピーカーであれば、低価格高性能アンプで済むし、理想的だと考える。
近年のスピーカーは大飯ばかり食っているだけで、働きの悪い製品ばかりになった。現代はアンプに頼りすぎの時代である。

☆話を戻します。
ヤマハのDSP3000型を使って6チャンネルとし、パラゴンだけでは無くて全体の音響コントロールをしている事も私の音の特徴です。
私はヤマハの最初のDSPモデルであったDSP−1から音場プロセッサーを使い続けています。
注・DSP-3000は2008年5月に故障して撤去した。以前のDSP音響は失われた。
ちなみに使っている四本のサラウンドSPはBANG&OLUFSEN社のベオペンタというトーテムポール型SPで、
これはマッキンのパワーアンプMC7270二台で駆動している。
なお、パラゴンはDSPを通すことなく、C−40プリアンプ経由MC2500に直接接続の通常2チャンネル再生です。
販売店あたりで聞くところによればヤマハのDSPは買っても使いこなせずに放り出している人が多い機器のようだ。
あれは駄目だと直ぐに放り出す人も多かった機器。だが、私の装置には昔から欠かせない。
ヤマハが無責任にも新しいチップを使った6チャンネル用DSPを発売しないので
今は時代遅れとなったDSP3000型であっても使わざるをえないのが実状。置いてきぼりを食ったユーザーの悲哀である。
アンプが入っていないDSP3000のような純粋なプロセッサーを再発売を望む。
アンプ内蔵機は無用の長物だが、2008年5月DSP-3000故障後、代用品が無いのでやむを得ずAVアンプのDSPプロセッサ部を使用中。

この他に超高域用SツィーターはJBL=UT025を経て2002年の年末からJBL製UT-045Beを使用。
サブウーファはVELODYNE(ベロダイン)社のHGS-18、45センチウーファ入りで 、
当初シアター用に導入したが、ピュアオーディオにも使うようになった。
入力系は近年 エソテリックりX−03SEを導入。気に入ってはいないが、他に選択肢がなかった。
そもそも、日本製の機械は、すべからく官能美というものが希薄だ。股間に何物も持たない性別不肖の人造人間とでも言うべきか。
日本製のアンプはその傾向があり、どんなに優秀なアンプでも、綺麗な音がするだけで、めくるめく官能の世界とは無縁の機械が多い。
私が国産のアンプを使わないのは、そういう理由があるからだ。下世話に喩えて言うと、国産アンプの音には勃起しないのだ。
早い話が、女はセクシーじゃないと女ではないし、セクシーじゃないアンプは嫌いなのだ。

性能が良いとか、綺麗な音だとか、分解能だとか、それがどーした!そんなことには、私は価値を見いださない。
アンプとして驚異的に性能が良くても、男が起たないようなアンプの音色など、何が面白いというのだ。
近年のオーディオ構築は、重箱の隅をつつくようなチマチマしたものになってきた。そんな音創りをしているとインポになる。
男が起たないようなオーディオをやっていて、どこが楽しいというのだ!。男達よ、野生に目覚めて、初心に還れ。

いかん!いつもの本音が出て、過激な話しになってしまった。チト、冷静になって私の機器の説明を続けます。
以前はワディアのDAコンバーターとデンオンDP−S1・トランスポートを使っていた。
今は、マッキントッシュMCD7009のデジタル出力をワディア15に入れてサブのCDプレーヤーシステムとし、
メインのCDプレーヤーは、前述の エソテリックりX−03SEを使用しています。その他の機器は省略する。
ここで、述べておきたい事がある。パラゴンの他にサラウンド四本とスーパーツィータにサブウーファと多数のスピーカーを使っているので、
パラゴン自体の音が希薄にならないかと考える向きもいるだろうが、それは全く無い。パラゴン以外のスピーカーは小音量で使っている。
何よりの証拠をあげると、たまにパラゴンの音が悪くなると全体の音が一変して悪化しまうことからも、
フクロウさんのパラゴンが、全ての音響を支配している事は、疑いの余地が無い。

JBLパラゴンについて=同じパラゴン使いとしての岩崎氏について。No 13。

岩崎氏の事を少し書く。私が本格的なオーディオを始めるきっかけになった雑誌で岩崎氏のオーディオルームが紹介されていた記事がある。
それは電波科学1967年-6月号臨時増刊=副題は「ステレオの総合技術」という雑誌だったが、オーディオの先達四人の装置が写真入りで紹介されている。
菅野氏、瀬川氏、江川氏、そして岩崎氏の部屋の装置がモノクロ写真で紹介されていた。
ステレオサウンド誌の創刊が前年の1966年の暮れなので、
この掲載記事は日本におけるオーディオの組み合わせ試聴記事としては最古のものの一つであろう。
私は、これを読んで「我が意を得たり」と、思ったものだ。当時は性能の良い機器は自作機が幅を利かせていた時代だった。
日本はまだまだ貧しくて海外製のオーディオ機器など夢物語の時代だから、海外製の高名な機器の配線図を元に自作していた時代だったのだ。
私はそんなマガイ物ではなくて、なんとしても海外製のホンモノを手に入れたかった。

それに自作するよりは、耐久性とかメンテナンスの面倒をみてくれるメーカー製の機器が良い。
そしてこの雑誌の組み合わせ記事を熟読して、自分好みの音創りをするというコンセプトが現実となる確信を得た。
この後、私は一気にトップエンド機を買い求め続けて、可能な限りの良い音を創る道を邁進し始めた。
※雑誌に登場した四人の評論家の皆さんも当時は若々しくて、それほど高価な装置を使っている人は誰もいなかった。
その中で、岩崎氏一人だけが異様にマニアックな機器を並べていた。
当時から既に、岩崎氏は狂気の世界に踏み入れていたのではないかと思う。
1977年3月24日に急逝の訃報を聞いた時、私は電波科学臨時増刊号のモノクロ写真を回想した事を覚えている。
ということは岩崎氏がパラゴンと暮らしていた期間は三年にも満たなかったのか?
フクロウさんは20年以上もパラゴンと幸せに暮らしているので、岩崎氏にも同様のオーディオ人生をおくって欲しかった。

岩崎氏の記事は良く読んでいない。それは氏が聴くジャンルがジャズであった事に関係している。
私は当初ジャズを全く聞かなかったので岩崎氏のジャズ評論は読んでいないし、再生音の目指す方向が違うので、記事は参考にしなかったからだ。
しかし、日本オーディオ界の創成期にオーディオ一筋に生きた方であり、
オーディオによって音楽を真摯に聞くことに多大の意義を見いだした数少ない先達の一人である。
当時は生の音楽こそが一番でオーディオを通じて音楽を聞くことが、さほどに意義深いものだとは考えられていなかった時代だ。
再生音楽に芸術性を見いだせる事は知られていなかった創成期だった。
そしてまた、私にとって岩崎氏は同じパラゴン使いとしての同胞意識が有る。
聞く音楽も違うし、音の創り方も違うし、聴き方までもが違うのだが、
スピーカー選びで同じ機種を選択したという事は何よりの見解の一致と信じている。
例えて言えば同じ哲学を持っていた、とでも言っておこう。

その岩崎氏は後年、私より数年早くパラゴンを導入し、パラゴン使いとして有名な方になった。
1978年以前の購入なので、岩崎氏のパラゴンは中期型パラゴンとなった筈だが、
私と同様の後期型のパラゴンを導入されたならば、聞く音楽は変わらなくても、音の出し方は違っていたのではなかろうか。
私は岩崎氏はパラゴンと心中して死んだのではないかと勝手に思っている。家族と離れて一途にオーディオに生きた人だから、そう思う。
そして、パラゴンの中には魔物が住むと思っているからだ。
私も正気を失わせるものが棲み付いているように思いながら、毎日パラゴンが歌う声を聴いている。
パラゴンの音にはそういう狂気を呼ぶものが存在する。
そういう訳でフクロウさんは、同じパラゴン使いの一人として岩崎氏を尊敬している。

JBLパラゴンについて=読者からパラゴン製造数予測で異論がきました。No14。

※読者タラゴンさんから、後期型パラゴンはもっと沢山作られているのでは、という趣旨の書き込みがありました。
今回は長いやりとりはあったものの、たらごんさんの書き込みは新味のある独自の意見は少なかった。
私は独自の分析で、市場原理も加味した上で、具体的数字を30台前後と予測しました。
これに対して、たらごんさんはドン・マクリッチー氏の文を引用することはあっても、
自分の考えで、具体的に何台という事は明記されないままでした。
※ここで再度マクリッチー氏、私、タラゴンさんの三者三様の予測を書き並べてみる必要がある。
1=私の翻訳記事のドン・マクリッチー氏「1980年からとされるが、一ヶ月に1台か2台のペースになっていた」と、
これを単純に製造年数をかけ算する。そうすると二ヶ月に三台となるから年に18台、三年弱で54台程度となる。
これはあくまで機械的に算数を使っただけの場合。現実の生産はそうはいかない。売れ行きなど、諸般の事情が有るからだ。
2=私の分析は組み立て職人が加藤氏一人として考えており、製造中止直前は注文がぐっと落ちたという事情を加味して算定しています、
機械的な計算は意味を成さないと考え、30台前後としました。


3=私の記事に異論を唱えたたらごんさんは、手伝いに来た人間が居たとか
(パラゴンの製造組み立て技術は、手伝える性質の仕事ではあるまいに)
あらゆる想像をめぐらせて「もっと多かった」としている。
仮に世界に後期型パラゴンが100台としても、充分に少ない数である。
タラゴンさんの裏付けを持たない単なる「多かった」仮想は論外です。
後期型パラゴンの希少価値があると私が書いてあることに、異論がなされましたが、
30台だろうが100台だろうが、数が少ないことは周知の事実なので、議論する余地などはどこにも無い。
これを車に喩えて言うと、一年間に1000台作られる車があるとして、五年で5千台にもなる。
だから、JBLパラゴンは工業製品として、如何に少ない生産量かが解ろうというものだ。
25年間もの長きに渡って製造され、世界に現存するのが1100台未満のパラゴンに、希少価値が無くてどうするのだ。

★2006年7月に新しい情報が得られました。
製造刻印番号055のもので、LE15A入り8Ω仕様の中期型であるとの、報告例をいただきました。
そしてまた、続いて、2006年の8月に製造番号刻印039の1039台目が、後期型であるという報告があり、上記7月の報告例と矛盾します。
これにより、中期型で055の刻印は、製造職人の【刻印間違い】かと推測されるのです。
既に059番目がLE15H入りの最後期型である報告例と、今回の039番との2例が揃い、ここらあたりが最後期型パラゴンであるようです。
さて、話は別ですが、現在では、既に壊れてしまった最後期型も有ることが知られているので、
この世に現存する最後期型パラゴンは40台未満とみられる。
初期型や中期型が火災や天災で失われた数や、保存不全で腐った数は、さらに多いと思われるから、
現在のパラゴン生存数?は1000台未満になっているだろうことは間違いない。大切にしたいものです。

JBLパラゴンについて☆パラゴンの修理費用に関する情報=No15

○パラゴンを修理しましたので、修理情報をパラゴン情報として記載します。
今回はウーファLE15Hx2pcs、ネットワーク関連がN7000x2pcsとLX5x2pcsです。
パラゴンの修理費用は以下のとおりでした。修理はハーマン・インターナショナルに依頼しました。
 LE15H コーン紙張り替え修理x2pcs ¥90,000(税別)
 N7000修理x2pcs ¥22,400(税別)
 LX5修理x2pcs ¥33,000(税別)
 消費税 ¥7,270
 合計  ¥152,670
○ ハーマン・インターナショナルでは、内部配線交換はしないという以下の返事が来ました。
「弊社では内部配線の交換はお勧めしておりません。
昔のJBLスピーカーの内部配線は、ベルデンを使用していましたがオリジナルの線は入手不可能です」
そういう訳で、修理が終わったネットワーク配線は古い線材をそのまま付けて帰ってきました。
私は「弊社では内部配線の交換はお勧めしておりません」というのを無視して
8Nの最新のケーブルを既に買って用意しておいたので、スビーカーの内部配線も全てを新しいものに取り替えました。
読者の方で、古いベルデンを使う方は良いのですが、内部部品だけではなくて配線も新しいものに取り替えたいと思ってらっしゃる方は、
輸入元のハーマン・インターナショナルにこだわらず、別の修理専門会社に依頼した方が、後で自分で配線替えをしなくて済みます。
ご自分で内部配線を取り替えられる人なら問題にはなりませんが。
ウーファユニットに関しては、他の修理専門会社の技術度が不明なので断言はしませんけれど、ハーマンに依頼した方が無難かと思います。
コーン紙も古いストックを使われる事が無いでしょうし。

☆今回は私の体調不良時に故障した事もあり、外した部品を清掃もせずに梱包して宅急便で送りました。
修理からかえってきた部品を見ると、外部の汚れやホコリは、拭き取られもせず、そのままでした(笑)
部品がちゃんと取り替えられていれば、用は足りる訳ですが、あまり親切な修理では無いと感じました。
人間じゃないから、傷口が治癒すれば、傷口周囲の血膿の汚れのように拭き取る必要は無いだろうけれど。
結局のところ、修理担当する人の個人的な仕事に対する意識が、そういうものなのだろう、と、感じました。
以上、今回の修理に関する情報が、パラゴン所有者の参考になる事を願っています。

JBLパラゴンについて=パラゴン修理完了後の初音出しパート1=No16。

○ネットワークも取り替えたし、8Nの最新のケーブルにも取り替えたし、さぁ最初の音出しだ。
新装開店のパラゴンはさぞや音が変化するだろうと、結構身構えて今朝、最初の音出しをした。
試聴評価を下す前に、聞き惚れてしまった。全てが美しく響くパラゴンの音は別格である。
○さて、話をその前に戻して恐縮だが、修理中の半月は当座の間に合わせで、
サラウンドSPのB&O社のベオラブペンタを使っていたのだった。
1セット55万円のスピーカーだし、駆動はマッキントッシュの7270パワーアンプだから決して安物ではない。
しかし、パラゴンが歌わなくなったら、当家の妻でさえ、あまり部屋で聴こうとしなくなってしまった。
こんな時にかぎって、アメリカから次々にCDが届くのであるから皮肉な話だ。
配達されたCDは、出勤時のカーステレオで聴きながら出勤する始末であった。部屋では聴かないのである。
まったく、一度贅沢な音に慣れて、当たり前になってしまうと、こんなことも起きるのです。
パラゴン単独でも充分良い音なのに、サラウンドを足し、Sツィータを足し、サブウーファを足していった。
その都度、感動が大きくなっていくのであるから、贅沢というのはキリが無いものだと、我ながら呆れる。

○さて、本題に戻ろう。
今は修理完了したパラゴンのみで音を出しながら、この記事を打っている。
最初の音出し調整段階なので、サラウンドSP四本も使わず、スーパーツィータもサブウーファも使っていない。
純粋にパラゴン一台だけで音を聞くのは20年以上前以来のことか・・感慨深い。
単独で歌うパラゴンに感動しまくる脳味噌を冷やして、あれこれと音の変化の分析に入った。
なにせ、ケーブルはアンプからネットワーク配線まで、全てが最新の8Nケーブルに変えたのだから、
どこが変わったのかが非常に気になる
僅かに高音が出るようになったので、アンプで少し高音域を下げると、あっけなく修理する前のパラゴンの音になってしまった。
細かいことを言えば他にあるが、全体としての音バランスは復旧した。

○ケーブルを変えて音が変わることは事実だが、その後で、どうすることも出来ない人が多いのを知っている。
つまり、料理で言うと、食材を買ってテーブルに並べることは出来るが、キチンと調理して盛りつけが出来ないようなものだ。
オーディオファンの中には、刺身しか作れない人が居る。ジャズしか聞かないオーディオ・ファンに、この手の人が多い。
日本人がモニタースピーカーのような刺身が好きなのは解るが、
パラゴンのような楽器型スピーカーは、フランス料理で持ち味が出ます。
包丁さばきだけで刺身を作れば料理人だと思っている人達は、ケーブルを変えて音が変わったと喜んでしまい、
その後、チョイといじる程度はしても、以前の自分の音に戻せないのですね。
ケーブルを取り換えて、わぁ〜、変わったぁ〜!と、お猿のごとく小躍りしていてはいけません。
その後、キチンと調理して、いつも自分が食べている味の料理を作れないようでは、オーディオの使い手として失格です。

○音の調整を、もう少し詳しく書くと、
高音域から調整開始をしたのだが、あらかじめパラゴンのネットワーク側で、レベルを下げておいた。
しかし、調整しているうちに、修理する前の音に戻ってしまった。聞き慣れた音バランスに自然に戻ってしまうものだ。
ケーブル以外には、ウーファユニットをコーン紙張り替えたのが、一番音に変化を与えているのは当然である。
全部が良くなったとは言えない。元気になったウーファでホーン泣きが酷くなってしまったのは困りものである。
その点、劣化したウーファの時がホーン鳴きは抑えられていたように思う。
得た物があったが、失ったものも確かに存在したのだ。これも楽器型オーディオ製品の面白いところである。
それだから、全てがピッカピカの、高音から低音まで鮮度の良い音が最高という人間を、私は評価しない。

JBLパラゴンについて=パラゴン修理完了後の初音出しパート2=No17

○人間の声が声帯のみであれば深みのある声にはならないように、パラゴンは箱鳴りする共鳴部分がかなりの要素を占める 。
そこがパラゴンの長所でもあり、短所でもあるのだが、わざわざ、このようなたいそうな箱を採用するには、それなりの理由がある。
複雑なエンクロージュアであればあるほど、使いにくい面もあるが、独自の効果もあるわけだから、長所を伸ばすことだ。
こういう方向が嫌いな人は、同じJBLでもモニター系の、4343から4344、そして4350等の一連のプロシリーズから選択すべきだろう。
スタジオモニターシリーズ・スピーカーは大嫌いで、私自身は絶対に使いたくないスピーカー・シリーズであるけれども。

○暇話休題、話を戻そう。今回はウーファユニットのコーン紙張り替えによる変化だが、ユニットの音が直接リスナーに届く訳では無い。
これまたパラゴン特有の長大な低音ホーン構造による音決め要素が大きいから、全体的印象はそれほど変わらない。
腐っても鯛という言葉があるが、パラゴンの低音はユニットが劣化しても、やはりパラゴンの低音なのだ。
ここらへんが、楽器型スピーカーの面目躍如というものであり、
現在の日本で多用されているモニター系のスピーカーとは一線を画す特徴である。
モニター系のシステムは、ユニットが劣化すれば、そこまでである。しかし楽器型SPはさらにまた聞けてしまう。
他の楽器型スピーカーを沢山知らないので断言は出来ないけれど。
モニター系ならケーブルや電源に凝るとか、マルチアンプにチャレンジするとか、それならではの使いこなしもあろう。
しかし楽器型の使いこなしというのは、それらの事も念頭に置かなくてはならないが、それ以前に良く箱を鳴らす事だ。
良く箱を鳴らす、というのは、私のように年中エアコンをかけて徹底的に箱を乾燥させるというような、
およそオーディオ誌では取り上げられない類の「使いこなし」であったりする訳だ。
そしてまた、楽器型のスピーカーでは、マルチアンプ駆動を必要としない、と、私は思っている。

○最新型JBL=K2-S9800は素晴らしい音がするけれど、エンクロージュアは人の憧れを誘うようなものではない。
著名な評論家達は、ここら辺を物足りないと評している。物として人を魅了するには何かが足らないと言い、
その顕著な実例としてあげられるのはパラゴンである。人を魅了するデザインというのは簡単には生まれない。
私はパラゴンを愛用するが故に、臆することなく賛辞の言葉を連ねている。ここでまた賛辞を送らなくてはならない。
☆オペラ歌手が身体全体を使って歌い上げるように、パラゴンは全身を震わせて歌うスピーカーシステムなのだ。

JBLパラゴンについて=パラゴンこそ近接聴が可能なスピーカーの代表=パート1。No18

パラゴンに関する記事を検索したら、以下の記事が眼に付いた。曰く、
「そういや、四畳半にパラゴンいれて聴いているアホが居ったなあ〜」というこの人は、基本は部屋だという持論の人です。
勿論、アホなのはこの人で、己の未熟さを知らず、己がモノを知らなさすぎることを知らないのです。

部屋の影響を少なくするにはニアフィールドで聞く事で、有る程度解決できます。
当然、この人はパラゴンを所有してないだろう。多くの日本人がウサギ小屋的な狭い小部屋でパラゴンを使う理由は近接位置で聴けるからです。
どんな小型スピーカーよりも近接して聴けるのがパラゴンなのは、このSPを使った人ならば誰でも発見することです。
広い部屋で聴くとすれば、50畳ほどの石造りのお城のようなところがふさわしいと、フクロウは思う。
たかだか20畳程度の部屋で聞く場合を想定すると、
やはり狭い部屋と同様に近接位置がベストリスニングポイントになってしまうだろうと推測します。
私がパラゴンを買う時に店員に聞いた話では、
日本人が好んでパラゴンを買うので、JBLは製造中止したいのを取りやめて作り続けているのだ、
ということであった。つまり、パラゴンこそはニアフィールドリスニングにもっとも適したSPのひとつなのだ。
言い換えれば日本のウサギ小屋住宅御用達スピーカーとも言える。
長年オーディオ誌を読んでパラゴンを使っている人の記事を読むと、私だけではなくて狭い部屋で使っている人が多かった。

※2002年のステレオサウンド誌No143を今、手元に書いているが、
和田博巳氏の連載で「ニアフィールドリスニングの快楽」という記事が今回で17回目となる。
狭い日本の住宅事情で数々の難問を抱えているオーディオファイルは多い筈だから、
読者の連載希望が多かった為に、17回も続いているのではなかろうか?。

JBLパラゴンについて=パラゴンこそ近接聴が可能なスピーカーの代表=パート2=No19

しかし、ニアフィールドというのなら、古今東西パラゴンを最右翼にあげなくてはならない。
なにせスピーカーとの距離がゼロセンチでも聴けるスピーカーなんてパラゴンを置いて他にはなかなか見あたらない。
パラゴンの使い方は様々な使い方があるけれど、前面の音響パネルにピタリと額を付けて聴くという人もいるのだ。
故瀬川氏の報告によれば、その方のパラゴンには前面音響放射パネルに額の油染みが出来ているという。
これを読んだフクロウさんは、なにやら魑魅魍魎が跋扈する不気味なパラゴンの世界を覗き見た思いがしたものだ。
それにしても強力な375(376)ドライバーによる中音ホーンでダイレクトに鼓膜を振動させるのであるから、なんと過激な聴き方であろうか。
でも、麻薬みたいなもので、これは病み付きになるのかも知れない
「SPとの距離ゼロで激聴!麻薬的ニアフィールドリスニングをパラゴンで」・・ウ、これは危ないな。

※そこまで過激にならなくても、フクロウさんのパラゴンのベストリスニングポジションを計ったら145センチだった。
床面から耳の位置までの高さは90センチである。そんなに都合の良い椅子など存在しないから、家具作りが得意なフクロウさんの自作である。
私の場合、自分にパラゴンを合わせる事は諦めて、私がパラゴンに合わせるようにしたのです。その結果が専用椅子作製となった訳だ。
なお、パラゴンを高いステージに乗せるというのはパラゴン使いなら誰でも考えつくのだが、私の場合は見事にパラゴン嬢にはねつけられた。
素人の妻でさえ、台に乗せたら随分ひどい音になった、と言ったのだから、その酷さは並大抵のものではなかった。
よく喫茶店とか、公共の場等では台の上に乗せて鳴らしているパラゴンを写真で見るのだけれど、
あの状態でマトモな音になっているのだろうかと不思議だ。店だから単なるBGM的な使い方でも良いのか?。

憑かれたようにSPに額を密着させて聞くという人には及ばないけれど、私は8畳間前方壁からの距離が140センチほどの場所で聞く。
私も、かなりのニアフィールドリスニングだと思います。
これは部屋の四隅に置かれたサラウンドSPとの兼ね合いのせいですから、
通常の2チャンネルステレオとしてパラゴンを聴くのなら、さらに近接位置になるでしょう。
また、SPの50センチ前であぐらをかいて座って聴くボーカルもまた麻薬的効能があります。
従って店ではなくて個人所有のパラゴン使いの方々の大多数は、近接位置で聴いていると思います。
こうすることで最新のモニターSPに負けない解像度の高い音が聴ける。
パラゴンから一メートル以内に近づいて、その悪魔的魅力の美音をじっくりと聞いたことがない人は、パラゴンを聴いたことにはなりません。
パラゴンというスピーカーは巨大な外観と裏腹に、ニアフィールドリスニングにより威力を発揮する類希なSPなのです。

JBLパラゴンについて=偽装工作した最後期型パラゴンの疑い。No20。

私のパラゴン情報に最後期型が30台と予測したが、それにしてはアチコチで後期型所有者が居るのは不可解なので、この疑念がわいた。
また、私の見たところ、この疑念を抱かせる後期型パラゴンは、100パーセントが並行輸入された非正規輸入品であった事が、
裏付け証拠となってはしまいか?。
パラゴンの裏にエナジャイザー(JBLではSP内蔵パワーアンプのことを、こう呼んだ)用のメクラ蓋があるのに、
ユニットだけは後期型のLA15Hと376ドライバー入りのものが存在するから、疑念が湧いたのだ。
どうして、そういう事が起こりうるかというと、パラゴンの定価変動が大きかったからです。
後期型パラゴンの定価は350万円で、それ以前のパラゴンは220万円でした。
(初期は168万円だった)だから、売れ残った中期型のパラゴンのユニットを入れ替えて、後期型として売れば、差額を儲けられるし、
取り外した375ドライバーとウーファのLE15Aを売りさばけば、二度美味しい商法が可能だからだ。
当時の日本は正にバブル経済であったし、こういう商法が行われていたと考えるのは、意外に当を得ているかもしれない。

そういうことで、この記事を読む諸氏が「自分のパラゴンは正規輸入品か?」という疑問が出ると思う。
それは、皆さんの家にパラゴンが配達された時に、山水社の社員が組み立てに立ち会ったかどうかで解ります。
正規輸入ならば、店の担当者と共に山水社の社員が立ち会い、
パラゴン用のワトコの塗料一缶を置いて「これを塗ってセッセとパラゴンを磨いて下さい」と、言った筈です。
そうではなく、販売店の担当者とアルバイトの男の子だけが来て組み立てた場合、99パーセントは偽物の後期型パラゴンと思って良い。
また、最も確実に最後期型のパラゴンである、と断言出来るのは、ビルトインパワーアンプ用のメクラ蓋が無い事。
このメクラ蓋が無いパラゴンは、完全なる最後期型の証明になると私は思っています。
メクラ蓋が有るのに、ウーファがLE15Hで、スコーカードライバーが376のものは偽装の可能性があります。
偽物ではないけれど、パラゴン筐体本体と、ユニットの製造年月日が一致していないと考えます。
これは、メーカーや販売店サイドではやってなくても、中古であれば前オーナーがユニットを入れ替えしている可能性もあります。
これらは山水社による正規輸入品ではなく、並行輸入された非正規輸入バラゴンだけに見られるようです。

最後に余談をひとつ。
パラゴンは一台ずつサイズが微妙に違います。職人の手作りですからね。カタログに書かれたパラゴンのサイズと私のを比べよう。
横2630(私のは2640)高さ900(私のは880)奥行き610(私のは620)で私のパラゴンが少し大きい。
(高さは前面の湾曲パネルの最上端までのサイズなので、内容積とは無関係です)
なお、この奥行き610とは前足までのサイズではなく箱中央部の太さですね=前足から計った奥行きは740で、
この為にマンションには搬入不可能となって、購入断念をする原因となった。なお各時代の形式番号と重量を記しておく。
初期型と中期型のJBL Paragon =型番はD44000=重量 316kg
後期型のJBL Paragon=型番はD44000WXA=重量 318.4kg

◎新情報=2004年5月14日に後期型パラゴンの初代オーナーであるMさんから、新情報がメールで報告されましたので掲載します。
「メクラ蓋の無いフラットな裏蓋を持つエンクロージュアで、ウーファユニットがLE15HではなくアルニコのLE15Aが入っていた。
これは後期型に移行する際の端境期であったからと思う」との報告でした。
今では珍しい初代オーナーからの貴重な情報をありがとうございました。
◎ 続いて2006年7月に、二代目オーナーのケイタさんから情報があり、
中期型パラゴンの8Ω仕様のLE15A入りで、フラットな裏蓋を持つパラゴン・エンクロージュアの報告がありました。
購入時には改造はされてないようなので、オリジナル状態に近いと思われるパラゴンです。
JBLにおいては、1974年に16Ωから8Ω仕様に変わっていますので、
おそらくケイタさんの8Ω仕様LE15Aはフェライトマグネットを持つウーファだと推測しています。

JBLパラゴンについて=パラゴンは極力乾燥させて使うこと。No21。

○パラゴンは特に湿気を嫌うスピーカーで、オーディオの基本的な使いこなし以前の問題として、
購入者は常日頃から、エンクロージュアの乾燥を心がけるように、と、常々から説いている。
たとえ聞き届ける人が皆無でも、この真実はインターネットに刻しておかなくてはならないので、何度でも口を酸っぱくして言い続けます。
○パラゴンを置いてある喫茶店を訪ねた事があるが、エアコンは使っていたものの、パラゴン本体の箱が湿気で膨らんだ痕跡が明瞭であった。
ですから、単純な考えで、自分はエアコンを使っているから大丈夫だ、とは言い切れません。エアコンの使い方も人それぞれですから。
日本ではエアコン無しで音楽を聞く人も多いのだから。
そういう現実から想像すれば、日本に来たパラゴンの相当数が、日本特有の湿気で腐ったことは間違いなさそうです。
エアコンを使いたがらない貧乏くさい日本人がパラゴンを買って、相当数のJBLパラゴンを腐らせている筈です。
実際、日本の販売店の倉庫に、売れないままで長期間置かれたパラゴンは、湿気でエンクロージュアがふくれてしまい。
組み立て不能となるものも有ったようだ。私が訪れた著名な喫茶店のパラゴンも、除湿器が有ったのに、湿気のために突き板が膨らんでいた。
湿気対策をしない所有者宅では、引っ越しの時にトラックの上で壊れたパラゴンもあったと聞く。
ふやけてブヨブヨになったエンクロージュアは、自身の重みによって壊れても不思議は無い。

○私の場合は人が部屋に居ないときでも、有る程度、除湿を心がけています。
特に梅雨時が肝心で、パラゴンのある部屋だけは常時エアコン使用を心がけてます。パラゴンの使いこなしの第一歩は「乾燥」に他ならないのです。
湿気ったパラゴンなど、箱を鳴らして音楽を奏でる楽器型のスピーカーの代表であるパラゴンにとって言語道断といえます。
現代のスピーカーは楽器型と言えるものが少なくて、工場で大量生産されるスタジオモニター系の設計が多い。
木工工芸品的な楽器型スピーカーは製造コストが高くつくし、工場生産には向かない。スピーカーの歴史は退化の一途をたどっていると言われる所以です。
そういう訳で、中古品パラゴンを買う際は、箱に価値があることを忘れずに、完全乾燥して箱全体が良く鳴るものを求める事です。
JBLエンクロージュアの基本はチップボードが本来の箱ですから、カリフォルニア気候仕様なんですね。
そして、あの柔らかい材質がユニットのエネルギークッションになっているのだと、私は想像しています。
パラゴンは一般的なスピーカーと違いまして、エンクロージュアの内部にグラスウールの類は一切入ってません。
その音響コントロールは、柔らかいチップボードによってなされているのだと思います。
日本でパラゴンのレプリカを作っているところでは、非常に頑丈に出来ており、ガチガチに作られているそうです。
そういう立派な?作りのエンクロージュアは、オリジナルパラゴンのような箱鳴りはしないという話を聞きました。私は聞いてないないが。
また、日本では、裏蓋に米松板を使用した中期型パラゴンが、湿気に影響されにくいので好評を得ているという記事も見られました。
しかしながら、JBLパラゴンの本来のエンクロージュアはチップボードであって、保存状態が良ければチップボード製が本来の音を出します。
これは同時期のJBL製の別モデルのスピーカーのほとんどが、チップボードによる、つき板仕上げである事実が証明しています。

JBLパラゴンについて=パラゴンのエンクロージュア(特に裏蓋)について。No22。

※ここで、明記しておかなくてはならないのは、米松合板の使用例報告は、あくまで裏蓋だけに使われているという事です。
パラゴンの箱全体がベイマツ製のものが有ると思っている人がいますが、一部の初期型を除き、存在しない筈です。
アルティック業務用のA7みたいなパラゴンは存在しない。また、全てがベイマツ合板では、複雑な形状のパラゴンは作れないでしょう。
重要なことですが、パラゴンにベイマツが使われているという記事は日本の記事情報だけで、アメリカの情報では、見あたりません。
また、そういう記事の多くは中古で手に入れた方で、新品では無いようです。
新品購入したオーナーが、自分のパラゴンの裏蓋にベイマツが使われていた、という報告例は、未だに無いのです。
そこで、後付けであろうという予測が出てきます。
私は、JBL社の製造工程で、裏蓋のみ米松材を使う必然性は無いと、常々疑問に思っていました。
ですから、私個人の予測では、ウーファの取り付け取り外しで、裏蓋を壊してしまった為に、
間に合わせとして、安い合板材料で裏蓋を作った可能性が有るのです。
私も裏蓋を取り外しますが、JBLのチップボードは音質第一で、堅牢性は重視されておらず、ポロポロと崩れます。
不必要に裏蓋外しを繰り返せば、たやすく壊れます。
遠慮せずに言うと、湿気で腐らせたり、頻繁な裏蓋外しで破損した!そのなれの果てが、裏蓋ベイマツ材の付け替えだと、私は考えているのです。
それによって、良い音になったのであれば、それで結構な事です。率先してオリジナルをベイマツに取り替える方も居て構わない。
私も、裏蓋の取り扱いに失敗して壊したら、樺等の広葉樹を加工して裏蓋作りをするつもりです。
単なる四角い板に切り込みを入れるだけの加工は、銘木で家具作りをしているフクロウさんなら出来ますので。

次ぎに、ウーファユニットについて、少し述べます。
初期型に使用されている150-4Cは、モノラル時代のハーツフィールドに使われていたユニットで、
創業間もないJBLには選ぶほどウーファユニット種類が無かった為に、パラゴンにも使われた。
1964年には、当時の新製品であるLE15Aに早々に入れ替わった。
ですから150-4Cはパラゴン用として作られたわけではないことは知っておくべきで、低音ホーン用の設計ということはない。
D130のように銘器という評価もない。
さらに、150-4Cの元をただせば、
元来劇場用として、ウェスタンに供給されていたT510A型というユニットが、民生用として採用された時に名称を150-4Cと変えた。
つまり、原型はハーツフィールド以前の古い設計なのです。
ハーツフィールドには、コーン紙が大振幅に耐えられる改良型150-4Cが採用されたが、基本的には同じ設計。

◎補足情報=2004年5月16日=先のMさんからの情報です。
所有しているパラゴンは、後期型の端境期のもので、裏蓋はフラットなものでしたがLE15Aが入っていた。
これを別に求めたLE15Hと交換してみたが、
裏蓋のネットワークを挟むように取り付けられた補強材がマグネットに干渉してしまい裏蓋が閉まらなかった。とのことでした。
例外的にはこういうものも実在するということで、補足掲載しておきます。

JBLパラゴンについて=パラゴンの音調整から導かれること。No23。

○パラゴンの調整に関して「おかべっかむ」さんという方に質問を受けて、フクロウさんの手の内を明かしてしまいました。
このような事は、人に教える事ではないと思っていました。
パラゴンは一人一人の調整方法によって、世界にただ一つの音創りがなされるべきだと考えているからです。
私の場合は確たる技術的根拠もなく、フクロウさんの感性のおもむくままに実践して導かれた結果なのです。
でもまぁ、インターネット上に手の内を明かしたからには、フクロウさんの音響に対する考えを、パラゴン情報に記録する事にしました。
具体的な手の内というのは、高域用の075の調整方法についてのみで、肝心の低音調整の事は触れていません。
パラゴンの075ツィータの調整位置は、ボリュウムに刻まれたレベル最上部から少し離れた位置に一カ所、
そしてそこからさらに遙か上にボリュウムを上げた位置に一カ所と、二カ所にベストポジションがあることを説明しました。
なぜそうなるかということは、私には解らないのです。実践した結果なのです。

○パラゴン使いの方々で熟達者の方は、この重要なポイントに気付いていると思われます。
気付かないような腐った感性の持ち主なら、パラゴン使いとして失格です。
なぜ、こういう二カ所のベストポジションが存在するのかを説明する為に、スーパーツィーターを引き合いに出します。
可聴帯域より遙かに高い音で、55才の私には聞こえないであろうという超高域が下の帯域に大きな影響を及ぼしていることに、
私自身も含めて誰しもが気付きます。
私が独断で「スーパーツィータ効果」と呼んでいる現象です。何か、他の呼び方が音響学では、既に有るのかも知れません。
簡単に言うとスーパーツィーターの025音域(2002/12/21日からUT045Beに交換して音出し中)が
通常ツィータの075音域に作用しているという事になります。聞こえない音域なのにです。
この現象を、別のユニット間に応用して説明しましょう。
話を075と376の関係に戻して丁寧に説明すると、075のレベル調整をするという行為は、ただ075だけに変化をもたらすのではなく、
376の音域に大きな影響をもたらしている、とフクロウさんは考えているのです。
そして、結果的に優れた音響としてブレンドされると考えるのです。
これが事実とすれば、075と376の関係においても、「スーパーツィータ的な効果」が有って、
075の音域が376に少なからず作用しているという事も成り立つと考えています。

○一般のスピーカーシステムでは、パラゴンのように、極めて大きな範囲のボリュウムコントロールが出来ないし、
最近のSPシステムは、そもそも、あらかじめ出荷時点で音決めがなされていて、ユーザー領域での可変範囲が小さいのです。
ですから、こういう「スーパーツィータ効果」を体験できるユーザーは、おそらくパラゴン所有者だけだと思っています。
さて、075の場合は、スーパーツィータ045Beのように、全帯域に影響を及ぼさないのはなぜかというと、
ユニットが受け持つ帯域が、可聴帯域たる高域だからです。075は部屋の音をかき混ぜるという類の用具として小振りなのだと推測します。
超高域になるほど、用具が大きくなって沢山かき混ぜることが出来るのだろう。
つまりかき混ぜる用具の大小は、扱う周波数帯域によって決定される。そういう考え方です。
そしてかき混ぜられる時、その角度や混ぜ具合がサインウェーブを描いて変化する。
このために、聴感上のベストポイントが、レベルコントローラー上では、分散されてしまい、
大きく離れた位置に2カ所存在していると推理したのです。
そう考えないと、大きく動かせるツィータレベルボリュウムの、おそろしく離れた位置の二点のベストポイントの間には、
明確なベストポイントが存在しないということの説明がつかないからです。

○本当のことを言うと、スーパーツィータの効果は、ツィータ音域だけではなくて、全音域の臨場感に影響を与えていると思われますが、
そうなると、説明が複雑になるだけなので、解りやすい部分だけを取りだして、説明する必要がありました。
つまり、話を解りやすくする為に、超高域は高域に、高域は中域に、という説明の仕方をさせてもらいましたが、
スーパーツィータ効果」というものは、全帯域に影響があります。
ともあれ、スピーカーシステムの各ユニットの音は、部屋の空気中で互いに影響を与え有っているのだと、フクロウさんは考えています。
では、中域ユニットが低域に対して、どの程度の音波干渉力があるのかは、私にはまだ確認出来ていません。
このスーパーツィータ効果理論(スミマセン、勝手な理屈で手前味噌ですが)は、下の帯域になるほど効果は薄れるというか、
失われていくという性質を持っているのではないか、と、推論しています。

これはパラゴン使いとしてのフクロウさん独自の見解なので、なんら保証されるものではない事をお断りしておきます。
聞こえない超高域が、全体の音響に影響しているという事実は、現代の音響理論とか技術がまだ解明しきっていないのでしょう。
もっともらしく「倍音成分が影響し合って」などと、という説明で証明しきっているとは思えないのである。
皆さんも、それでハイそうですかと納得する単純な人は居ないでしょう。
なのに、実際の製品であるスーパーツィータが市場に販路を拡げているという現実が有るのです。
こういう市場原理の方が、稚拙な音響理論よりも信用できるのではなかろうか?と、フクロウさんは、ほくそ笑むのです。
一般のオーディオ・ファンにとって、偉い先生方の講釈よりは、
市場でスーパーツィータがもてはやされているという現実の方が説得力を持つ。
考え直してみると、今時の音響科学というのは、各ユニットから出た音波が空気中で混じって互いに干渉し合い、
揺れ動く様までは解明していないのだと思います。
ユニット単体の音分析をしても、全体の音響を捉えていないのではないかと疑っています。
1/100くらいは測定しているだろうが、未知の部分が沢山有るように思うのです。
ですから、どんなに優秀な測定器をもってしても、人間の耳には及ばないのです。

JBLパラゴンについて=パラゴンにJBL製UT-045Beを追加使用した報告。No24。

○JBL製045Beスーパーツィーターを2002年12月21日から使い始めました。
○メーカーの能書きによれば、50kHzまでの超高域を水平60°垂直30°の広いエリアに均一に放射するバイラジアル・ホーン採用。
指向性の軸を垂直方向に−2度まで微調整できるチルト機構付きということになっている。
このチルト調整は、ほぼ水平位置にしました。60°30°というのは、スーパーツィータとしては広いし、微調整は必要だが面倒な事ではない。
私の場合はパラゴンの075ツィーターが内向きにセットされている関係で、UT-045Beも075とほぼ同じ角度に内向きとなった。
○もうヒトツの調整機構は、専用ネットワークによる3段階のクロスオーバー切り替えとアッテネーションスイッチだが、
16kzと20 kzと24kzの三種類が選べるのだけれど、20 kzに決定しました。
音を聞いて選択したのであって、技術的根拠皆無の私に質問しても無駄です。
出力レベル(能率)調節スイッチの方は102dbと100dbと98dbの三種類ですが、これはメインスピーカーがパラゴンですから、当然102dbです。
UT-045Beを追加した後のパラゴンの音の変化を報告します。
ちなみに評論家は「メインスピーカーの音を一変させ、音場感が豊かになる」と評していました。

☆フクロウさんのUT-045Be使用レポートです。
◎何より音が鮮烈に生まれ変わることに驚く。高音は言うに及ばず、中音も低音も良く弾んで引き締まる。
既存システムの全帯域に影響が及ぶことは、以前に使っていた025スーパーツィーターでも経験済みだが、
045Beの効き方は段違いで、危険度さえ感じるほどだ。
025が道具とすれば、045Beは兵器である。正にオーディオ界のリーサル・ウェポンと言っても過言ではない。
当然の帰趨として音のたたずまいに静謐感が漂うので、品位が高い音になる。
025と比べると精密度に段違いの差があって、それが音にも反映されている。
楽器で言うとパーカッションの鮮烈さが際だつ、ブラスの音色が輝きを増す。
ギター等の発弦楽器の音離れが良くなり、ピィイーン!と弾けるような音色に変わる。
今まで、大して良くないと思ったCDが、俄然楽しく聞けたりする。フクロウさんは思わず愛聴CDを次々にかけてしまったくらいだ。
昨今、何十万円もする電源ケーブルやSPケーブルが喧伝されているけれど、
それらに比べると僅か50万円の045Beの出費が、如何に能率的かと思う。
自分のシステムの再生音が一変する様子は、スリリングでさえある。
各種測定や技術者達の能書きでは、全くこの現象は解明されていないけれど、そんなことは構わない。
実際にオーディオファンの間で、確実に支持を得て、販路を拡大しているという事実が、
なによりもスーパーツィーターの存在意義が認められた証明に他ならない。

ちなみに私は当年55才で超高域どころか、高域さえもおぼつかず、数ヶ月前から耳が悪くなっている自覚症状があるくらいだ。
かような駄耳でさえ、045Beの威力には沈黙して聞き惚れる他なかったのだ。
以上の解説と讃辞を、オーディオ・ファイルの皆様方に捧げる次第です。
今までスーパーツィータを使ったことが無くて、懐疑的な人に申し上げます。貴男の(3000人に一人くらいの貴女も)危惧は無用!
心とお金にゆとりが有るならば、貴方のシステムに適合したスーパーツィーター導入は急ぐべきです。躊躇無用、サッサと買いたまえ!
お金がないのはフクロウさんも昔から同じ事だから、買えない気持は解る。
しかし、筋金入りのオーディオ・ファンというのは、そういう葛藤を乗り越えて理想のシステムを構築してきたのだ。
誰もがお金のない痛みは知っている。それを知っていても、貴方のシステムにスーパーツィータを加える意義は大きいと断言します。
特にJBLのホーン・スピーカーを中高域に使っている人には天与の製品です。

フクロウさんの場合は世界にただ一機種の3ウェイオールホーンシステムにUT-045Beを加えて、4ウェイオールホーンシステムとなり、
以前から抱いていた究極のオールホーンシステムの夢が実現、完成した事を意味し、実に感慨深いものがある。
人生の残りが何年も無い人も、何十年も有る人も、先に導入してより良い音楽を楽しんだ方が勝ちです。
音響アイテムとして必須ですから、是非どこかで試聴をしてみて下さい。
フクロウさんの場合は36年間にわたるオーディオ人生の中で、試聴して製品を買うことは無く、感覚のおもむくままに製品を選別している。
そういう買い方をしている私だが、今回のUT-045Be購入には、いささかのためらいもなく、導入後の音にも満足しています。
現在の貴方のシステム導入に際して助言じみたことを言わせて貰えば、
行き着くところまで行って、もはや、やることが無くなった人が、スーパーツィーター導入を検討すべきでしょう。
出来の悪い未完成システムでもスーパーツィータ効果は有るが、出来れば最終兵器として、最後の切り札にしていただきたい。

JBLパラゴンについて=パラゴンの裏蓋外しと、ウーファの取り付けに関しての注意事項。No25。

○2003年3月12日に、hfyujiさんという方より、自由掲示板に質問が寄せられました。
パラゴンの中古値段に関する質問が主なものでしたが、質問の中に裏蓋外しが大変なので断念したというくだりがあり、
そういえば、今まで、そういう初歩的事項をパラゴン情報に書く必要性を感じていませんでした。
しかしながら、知らない人には大事な事なんですね。そういう訳で、取り急ぎ、パラゴン情報に記載する事にしました。
◎バールなどを使って、無理に裏蓋外しをすると、柔らかいチップボード製の板が、簡単に破壊されますから、くれぐれも注意のこと。
基本は、垂木等を短く切った小切れを、裏蓋の四辺の小口部分にあてがいまして、ハンマーで気長に叩きながら、本体と裏蓋に隙間を作るようにします。
決して直接ハンマーで裏蓋を叩かないようにします。木切れを介在して間接的に叩くのが肝要。
金属のハンマーで直接叩けば、柔らかいチップボードが粉砕されます。叩く角度は裏蓋を上下左右にずらすようにします。
水平方向に叩いても、板を破砕するだけで、意味はありませんから注意。
私の場合、当初は日曜大工用のカナヅチを使いましたが、ラチが明かずに、土木用の片手で振れるハンマーを使いました。
上手くいけば、これだけで取れますが、徹底的に叩いても取れない場合は、最後はバールを隙間に入れて少しずつ剥がします。
一度に取ろうと思わず、四隅を少しずつ丁寧に行うのが肝要。
ウーファを外すときも、張り付いて取れない場合は、同様にアルミフレームに小切れを当てがい、
カナヅチを直接金属部に当てないように。この時、マグネット部分は叩かないようにします。
結果的に、裏蓋や本体のチップが少し剥がれますが、多少のことは大丈夫です。それよりも取り付けには、より一層注意が必要なのです。

「おかべっかむ」さんという投稿者にも以前、掲示板で説明したように、手締めではオハナシになりません。
ホームセンターでインパクト電動ドリルを買い求めて、徹底的に締めるようにします。
「おかべっかむ」さんは、私の指示どうりに締め直した結果、次のような報告が来ました。
「ふくろうさんのアドバイス通り、電気ドライバーを購入してきつくウーハーを締め上げた結果、
いっぱい出ていた低音(というより洞窟で鳴っていたような低音)が絞まりとてもクリアーになりました」

この方はご自身が初心者と言う謙虚な方でしたが、
パラゴンを使っている方の中にも、ネジ止めを手回しドライバーで締めた程度で鳴らしている方も多いと思います。
手締めではしっかりとやったつもりでも、一週間も経てば緩んでしまい、ドローンとした締まりのない低音になる原因になるのです。
自分の使い方が悪いのに、パラゴンは音が悪いと言ったりする人も居るのを知っています。情けないことだ。
こういう方にかぎって、パラゴンをマルチアンプで駆動して、ユニットの限界性能を引き出すのだ!などと標榜しているのを見かけます。
高価なパワーアンプを三台も買って取り付けているヒマがあるなら、ウーファのネジを電動インパクトドライパーで締めたまえ!
そのほうが、遙かに効果があります。
フクロウさんは、沢山のマッキントッシュパワーアンプを所有しているけれど、
今まで一度もマルチアンプ駆動をする必要性は感じていません。試してもいません。
スピーカーで音の良し悪しの7割は決定するというのに、基本的な事が解っていないオーディオマニアというのは結構多いのです。
とりわけ、近年のスピーカーというのは高額製品であっても、サイズが小型で、箱庭的なチマチマしたものが多くなりました。
パラゴンのように身体を張って使いこなすというほどの、重労働型オーディオライフを経験していない人が多くなってきました。
そういう事情からも、このパラゴン情報が、この世に存在する価値が有ると思っています。

JBLパラゴンについて=販売店の良識ある対応を望む。No26。

非正規輸入品の中には、ユニットを入れ替えたものが有ることを、バラゴン情報に書いたのだけれども、
またしても、この類の怪しいパラゴンを見た。内部ユニットが古い形式なのに、変に新しいように見せかけているものだ。
裏に張り付けられたネームプレートが中期型でも古いタイプのネームプレートなのに気付いた後。おや?、と疑問がわいた。
さっき前面のJBLバッジを見た時は、比較的新しい時代のJBLバッジだったのだ。
良く見ると、ご丁寧にも、正しい位置からずれた位置にバッジが張り付けられているのが、ご愛敬ではあった。
前面がこれだから裏をもう一度良く見直したら、やはり非正規輸入品のパラゴンである事が確認できた。
375ドライバーを付け直した痕跡やら、裏の塗装が新しくなってたり、相当に改造を施したパラゴンであった。

フクロウさんのような正規輸入代理店を通して新品を買った初代オーナーであれば、一目裏を見れば即座に気付く様々なことも、
普通のオーディオファンなら気付かない。今は伝説のスピーカーとなってしまったパラゴンの、本来の姿を覚えている人は少ないし、
一般のオーディオファンであれば、ほとんど何も気付かないだろう。
非正規輸入品パラゴンが、全て怪しい製品だとは言わないが、怪しげな品物が混じっているという事は確かです。
改造が悪いとは言わない。必要な場合もあろう。しかし、そういう訳有りのパラゴンを売る販売店は、
購入者にその点などをキチンと説明して売っているのでしょうか?店側も何も解らないままで売ってるのか?

○ 並行輸入したパラゴンについて、再度記載します。
1980年前後は、オーディオ製品だけではなくて、あらゆる分野の高額製品が「並行輸入」された時代であった。
いわゆるバブルの時代で、悪徳商法も良く行われた時代です。当時は非正規輸入パラゴンの全盛期であったろう。
私の見たパラゴンは、非正規輸入品の方が、正規品よりも多かったという事実が、それを裏付けているように思う。
日本の雑誌に紹介されたパラゴンの写真を、虫眼鏡で詳細に検証すると、
これまた山水社をとおさずに並行輸入されたパラゴンであると推察出来ました。
以前にも書いたことがあるが、後期型パラゴンは350万円で、それ以前のパラゴンは220万円だから、
ユニットを入れ替えれば、差額を儲けられるし、
取り外した375ドライバーとLE15Aウーファを売りさばけば、二度美味しい商法が可能だからだ。
こんな状況だから、正規輸入代理店の山水社は、さぞ困ったことだろうと推察する。
フクロウさんは非正規品であるパラゴンを見分ける方法は知っている。だが、それは極秘として決して人に漏らすまいと思っている。
漏らすと、こざかしい奴等が即座に偽装工作をするであろうからだ。

2003年の今は、「並行輸入」と言っても、若い人には良く解らないだろう。
ようするに海外の製品が、正規代理店から買うと高額だが、
正規代理店を通さずに輸入代行業者などを利用すれば、安く輸入できる、というやり方である。
現在のように日本人が沢山海外に行くようになったりすると、「並行輸入」という言葉は聞かれなくなってきた。
1980年頃は、まだインターネットが今ほど普及してなくて、過去の貿易業態を残していた時代なのだ。
今なら英語さえ出来れば、個人でインターネットを使って、アメリカからビンティージ物のオーディオ製品を買える時代となった。
パラゴンの輸入品に関しては、アメリカ本土で改造しようが、日本に輸入してから販売店が改造しようが、それは別に構わない。
ただ、音質面でパラゴンを良い音で鳴らそうという考えの元に改造したものであって欲しいと希望する。

○音質面を考慮したが故に、内部配線を取り替えたり、SP端子を大きいものに取り替えて、
太いケーブルが入るようにするなどの対策は良く見かけるけれど、そういうことなら一向に構わない。
私も内部配線を古いケーブルのまま、使い続けたくなかったので、新しいケーブルに取り替えています。
ただし、端子だけは、古いオリジナルJBLのバネ式端子が長所が多いと考えているので、そのまま使用しています。
ともあれ、音を良くするための改造は許せるのだけれど、見てくれを新しく見せるための小細工などは良くないと思う。
そういう代物は中身のユニットも疑いの眼を向けたくなるではありませんか。
例えば、左右ユニットの製造番号が離れていて、左右の音が揃っていないのではないか、などと余計な心配をしてしまいます。

JBLパラゴンについて=あら探しではなく、有意義な情報を求む。No 27。

○さて、フクロウさんは、ステレオ・サウンド誌を参考にしたり、
インターネットで調べたりした資料を、英語堪能な妻に翻訳を依頼して、
出来るだけ正確な情報をパラゴン情報に刻しようと鋭意努力してきました 。
得た情報を鵜呑みにすることなく、キチンと情報分析をして、裏付けをとれるよう努力してます。
それなのに、読者の中には古いステレオ・サウンド誌の記事を持ち出して、
私のパラゴン情報にとって、まったく役に立たない疑問を呈する人が、いまだに何人もいます。
雑誌の記事を鵜呑みにする程度のことなら、私はこうしてパラゴン情報を書きはしなかった。雑誌にも間違いは有ります。
この手の人は、批判するために必死に過去の雑誌記事を読みあさっていた筈だ。
文面の印象からして、情報提供する目的ではなくて、あら探しをするためにメールをくれるのである。見苦しいことだ。
パラゴン情報を開示して一年を過ぎたが、読者からパラゴン情報を、根底から書き換えなくてはならないほどの重要情報を頂いた事は一度も無い。
ただの一度もだ。ただ、補足事項として、有意義な情報を下さった方には感謝し、その旨を書き足しています。
古い雑誌記事をそのまま持ち出して「間違ってませんか?」と、安易なメールを寄こす人達には、もう、うんざりしている。
こういう事が続くと、いい加減にして欲しい、とも、思う。
何の努力もせずに、他人の書いたものを持ち出して提示するだけなら、価値は無い。
そんな安易なことで済ませるホームページ情報で良いと思うのであれば、私にメールをよこす前に、
自分で「新パラゴン情報発表、雑記記事の二番煎じ版」とでも題して、自分のホームページを作りたまえ!
「パラゴンの受け売り情報=無脳味噌版」という題でもよかろう。
たとえ間違っていても、自分が信じているなら、堂々と発表したら良い。インターネットは自由な世界である。
○昔のステレオ・サウンド誌や、その時代の評論家を批判する気はないのですよ。
なぜかというと、1980年頃は今のようにインターネットが普及していなかったから、海外の情報を居ながらにして手に出来なかったからです。
そういう時代の雑誌や評論家を批判するなんていう気持は、毛頭ありません。当時は調べようが無かったのだから。
そういう事ですから、私のパラゴン情報というのは、インターネット時代にふさわしい記事を、ということを発心としています。

JBLパラゴンについて=2代目や3代目オーナーになられた方へのアドバイス。No28。

オーディオに無関心な方が、何かの縁でパラゴンを手に入れた場合のアドバイスを記しておきます。
初歩的な事に、いちいちメール回答をするのが面倒だし、ここに記載しておく方が良いでしょう。
中古で手に入れた方々へのアドバイスとして、次ぎのことを確認するように言っています。
15年以上メンテナンスをしていないと、ネットワークとウーファエッジの劣化が出ます。この二つの修理はバラゴンを使う上で必須です。
ウーファエッジは、裏蓋を開けた時に、手で触ってみて、劣化の程度を良く見極めること。
最も多い中期型(全製造数、約1000台のうち、94%程度は中期型です)を例に取ると、
ウーファ・ユニットはLE15Aといわれるユニットですが、製造後25年から43年は経ているでしょう。
LE15Aは製造された年代により、年代別にエッジの種類が何種類か存在し、
コーン紙も四半世紀の間に少し変わっていると思われるので、それぞれに特徴があります。
オーディオをやっていない人が、判断に迷う時は、JBLのユニットに詳しい方に、
ウーファエッジの劣化の程度を判断してもらうことです。
なお、ウレタンエッジを採用しているウーファユニットは10年未満で、自然劣化してボロボロになるのですが、
パラゴンの低音ホーンには、ウレタンエッジが望ましいと、私は考えています。
できるだけ軽量のコーン紙とエッジを採用した方が良い結果を生むでしょう。
ウレタンエッジ以外のものを使うときには、その辺を考えた上で使うようにしてください。

もうヒトツ、ネットワークの件ですが、年数が経つと、コンデンサーなどが劣化してきます。
この劣化の程度は、ひどくなるとコントロール・ボリュウムにガリオーム現象が出て、
音を出しているときにボリュウムを回すと、ガリガリというような音がします。
そこまで劣化していなくても、ネットワーク劣化によって高域が出なくなります。
初期の音と比べると、著しく中音域と高音域に変化があると判断される時は、修理が必要です。
この判断は、私のように初代オーナーで、新品のパラゴンの音を知っている方に聞いてもらうのが一番。
あるいは、有る程度のオーディオの使い手であれば、ネットワーク劣化を判定できます。
修理費用がどの程度かは、パラゴン情報に、私の例をあげておきましたので参照してください。
ハーマン・インターナショナル社に、取り外したネットワークを送ると、
内部部品のほとんどが取り替えられて、送り返されてきます。
配線も新しくしたい方は、ご自分でケーブルを調達して取り替えるということになります。

最後に大事な事を、 バラゴンはキチンと整備すれば、現在の最新型のスピーカーなど、足下にも及ばない音が出せます。
中古で手に入れて、劣化したままの音を聞き、
「これがパラゴンの音だ。高域も低域も出ないが、流石にビンティージ・スピーカーだな」
などと見当外れな事を言ってはいけません。
ウェスタンやアルティックの劇場用スピーカーなら、いざ知らず、
こと、パラゴンに限っていえば、どんな最新型スピーカーにも負けない広帯域再生が可能です。
最新の広帯域録音CD再生を、らくらくとこなします。
測定上、低域が出なくても、体感上は、なんら不足を感じない豊かな低音再生が可能です。
高域は、ネットワークさえ劣化していなければ、075だけでも充分の高域再生が出来る筈です。
どうしても不足なら、JBL製UT-045Beスーパーツィーターを加えますが、
これはまた、全く別の効果をもたらす変化が大きくて、単に高域帯を拡げるアイテムではありません。

JBLパラゴン情報、終わり。他に記事はありません。

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